LSDで洗脳実験を繰り返したCIAの天才科学者とは? MKウルトラ、カストロ暗殺計画にも関与
カストロ暗殺にも関与したマッドサイエンティスト
ゴットリーブは1918年8月3日、ハンガリーからの移民の息子としてニューヨーク市で生まれた。両親はユダヤ人でだったが、ユダヤ教を受け入れず、不可知論や禅仏教などに傾倒したとされる。
ゴットリーブはニューヨーク市立大学とアーカンソー工科大学を経て、ウィスコンシン大学で1940年に化学の学位を取得して卒業した。その後、カリフォルニア工科大学で生化学の博士号を取得した。1942年には長老派教会の宣教師の娘、マーガレット・ムーアと結婚した。
内反足によって第二次世界大戦中の徴兵を免れたゴットリーブは、農務省、食品医薬品局、全米研究評議会を経て、1951年7月13日からCIA勤務となった。2年後にはMKウルトラ計画を運営し、CIAの技術サービス部門の責任者として、CIAの最高機密事項に関与する上級科学者を20年間務めた。LSD実験を主導したゴットリーブ自身もLSDを何百回も使用したという。
ゴットリーブはCIAの暗殺計画にも関与していた。アイゼンハワー政権とケネディ政権の下では、コンゴの左翼指導者パトリス・ルムンバやキューバの革命家フィデル・カストロなどを暗殺するための毒物を開発したが、いずれも成功しなかった。
1973年にCIAを退職したゴットリーブは、妻とともにオーストラリア、アフリカ、インドを旅行し、インドでは18カ月間ハンセン病患者のための病院を経営した。また、吃音症であったことから、言語療法の修士号を取得した。帰国後はバージニア州カルペパーで古い丸太小屋のある土地を購入し、フォークダンスとヤギの飼育を楽しみながら生活した。夫婦の間には2人の息子と2人の娘がいる。
1975年10月7日、ゴットリーブは「ジョセフ・シュナイダー」という別名で、CIAなどの犯罪を調査する教会委員会で証言した。この証言では、MKウルトラ計画などに関する情報を明らかにせず、CIA時代のほぼすべての記録を破棄したと述べた。ゴットリーブは犯罪で有罪判決を受けたことはなく、歴史的研究でも彼の名前はほとんど言及されていない。
晩年のゴットリーブはバージニア州ワシントンで過ごし、ホスピスで働きながら終末期患者の世話に尽力した。1999年3月7日に自宅で息を引き取ったが、残された妻は夫の死因を明らかにすることを拒否した。
CIA時代にゴットリーブが行った実験の数々は人道的に到底許されるものではない。しかし、その背景には、米国が冷戦で勝ち残っていくことを願うゴットリーブの愛国心があったとされる。ゴットリーブも国家に人生をもてあそばれた被害者の一人だったのかもしれない。
参考:「Mad Scientist Blog」、「The New York Times」、「The Daily Mail」、「SPYSCAPE」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊LSDで洗脳実験を繰り返したCIAの天才科学者とは? MKウルトラ、カストロ暗殺計画にも関与のページです。CIA、LSD、MKウルトラ計画、洗脳実験などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで