「自分だけの国」を本気で作った人々 —— WWII海上要塞から銀河帝国まで、世界の奇妙な”ミクロネーション”8選

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「いっそ自分で国を作ってしまおう」——誰もが一度は抱く妄想を、本気で実行した人々がいる。彼らが打ち立てた自称国家は「ミクロネーション」と呼ばれ、どの国からも承認されないまま、堂々と主権を主張している。

 きっかけは行政とのケンカだったり、単なる悪ふざけだったり。世界にはこうした極小国家が数十も存在する。今回はその中でも、とりわけ変わり種の8か国を紹介しよう。

お上への反抗から生まれた国々

1. シーランド公国(イギリス沖)
 世界で最も有名なミクロネーションがこれだ。イギリス沿岸から約10km沖の第二次大戦時の海上要塞を、1967年から占拠している。創設者パディ・ロイ・ベイツは海賊ラジオ局を運営するために乗り込んだが、結局ただの一度も放送しなかったというから脱力する。

 1978年にはドイツ人傭兵のクーデター未遂まで起き、首謀者がベイツに人質に取られる一幕もあった。要塞暮らしも案外物騒である。

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By Richard Lazenby – Own work, Public Domain, Link

2. ハット・リバー公国(オーストラリア)
 1970年、農家のレナード・カースリーは州の小麦生産割当に反発し、自らの農場を独立国家と宣言。独自の通貨、切手、パスポート、国歌まで用意する妙に本格的な国へと育った。

 だが2019年に公が死去すると、後継の息子は翌年あっさり解散。長年滞納した所得税を政府が本気で取り立てにきたからだった。夢の終わりはいつも現実的である。

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By Chris Fithall from Ballarat – Prince Leonard Bust, CC BY 2.0, Link

3. スネークヒル公国(オーストラリア)
 2003年、税金もローンも払えなくなったジェンセン一家が、ハット・リバー公国に倣って独立を宣言。世界中から数百人が市民権を取得したが、独立しても財政難は解決せず、土地をめぐる裁判は今なお続いているという。国を作っても借金は消えてくれないのだ。

こだわりが暴走して国になった

4. クーゲルムーゲル共和国(オーストリア)
 領土はたった一軒の「球体の家」。芸術家エドウィン・リプブルガーが建築許可を取り損ね、役所とのやり取りにうんざりした挙げ句、1978年に自宅を独立国家と宣言した。観光客を呼ぶためウィーン市はほぼ黙認状態。市民は650人いるとされるが、誰もあの家には住んでいない。

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By Priwo, CC BY-SA 3.0, Link

5. エレール王国(デンマーク)
 ロスキレ・フィヨルドに浮かぶ極小の島が国土。1944年、ナチス占領下のデンマークで教師たちが島を買い取り、独立王国を宣言した。奇妙なことに、この国では小説『ロビンソン・クルーソー』が禁書とされている。無人島暮らしの物語を禁じた無人島、というひねりが効いている。

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エレール王国の国旗 original Scottish flag by Kbolino, recoloured by TeVe – Recoloured version of Image:Flag of Scotland.svg, パブリック・ドメイン, リンクによる

6. オーステナジア帝国(イギリス)
 自らを「ローマ帝国の後継国家」と称する壮大な国。だが実態は、ロンドン南部に建つ一軒のタウンハウスである。領土が個人宅ばかりにもかかわらず、2010年には「内戦」まで勃発したというから、帝国の名は伊達ではないのかもしれない。

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オーステナジア帝国の国章 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

もはや冗談に振り切った国

7. ザキスタン共和国(アメリカ・ユタ州)
 自称大統領が治める約3エーカーの土地には、本当に何もない。住人も建物もゼロ。あるのは記念碑と国境ゲートだけだ。彼はきちんと税金を納めているが、それを「ユタ州と平和な外交関係を保つための貢ぎ物」と呼んでいる。言い方ひとつで気分は上がるものらしい。

8. アエリカ帝国(カナダ)
 トリは、領土を「銀河系全体」と主張する規格外の帝国だ。1987年に「楽しいから」という理由で建国され、その後は複数の(想像上の)惑星へと版図を拡大。他国との戦争もたびたび起こすが、その戦いは常に「厳重な抗議文の送付」によって遂行されるという。ペンは剣より強し、を地で行く帝国である。

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アエリカの国旗 パブリック・ドメイン, リンクによる

 好奇心と反骨心、そしてほんの少しの遊び心さえあれば、人は「国」を名乗れてしまう——この8か国はその事実を軽やかに証明している。承認されるかどうかは案外どうでもいいのかもしれない。だってあなたも今、心のどこかで「自分ならどんな国を作ろうか」と考え始めているはずだから。

参考:Oddee、ほか

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