2100年前の墓から「iPhone」が出土!? タイムトラベラーの証拠かとネットを騒然とさせた“ナターシャのiPhone”とは

古代の遺跡から、当時の技術では存在するはずのない現代のガジェットが出土する。そんな「オーパーツ(場違いな工芸品)」は、いつの時代もタイムトラベルや超古代文明を信じる人々のロマンを掻き立ててきた。
そして今回、ロシアの「アトランティス」と呼ばれる湖底の遺跡から、まさに私たちの生活に欠かせない“あるモノ”を握りしめた2100年前の女性の遺骨が発見され、ネット上が騒然としている。彼女が手にしていたのは「iPhone」のようなものだったのだ。
湖底の「アトランティス」で眠っていた女性
その驚くべき発見があったのは、ロシア連邦トゥヴァ共和国にあるアラテイ(Ala-Tey)ネクロポリス(古代の共同墓地)だ。
ここはロシア最大のサヤノ・シュシェンスカヤ・ダムの貯水池の底にあり、年に一度、水が引く時期にしか姿を現さないことから「ロシアのアトランティス」と呼ばれている。ちなみにこの風光明媚な山岳地帯は、あのプーチン大統領のお気に入りの休暇先としても知られている。
2019年、水が引いたこの遺跡を調査していた考古学者チームが、一体の女性の遺骨を発見した。紀元前92年から紀元後71年頃(フン族の時代/匈奴)のものと推定されるその女性は、腰のあたりに「黒い長方形の物体」をしっかりと握りしめるようにして埋葬されていた。
その形、サイズ、そして黒い光沢。それはまさに、現代の「iPhone」のようだった。ネット上ではすぐに「タイムトラベラーの証拠だ!」「彼女は未来から来たインスタグラマーに違いない」と大騒ぎになり、研究者たちは親しみを込めて彼女を「ナターシャ」、そのオーパーツを「ナターシャのiPhone」と名付けた。

「ナターシャのiPhone」の美しすぎる正体
しかし、古代のロマンを打ち砕くようで申し訳ないが、もちろんそれが本物のApple製品であるはずはない。
発掘チームを率いたパヴェル・レウス博士によれば、この「iPhone」の正体は、黒い宝石であるジェット(褐炭の一種)で作られた「巨大なベルトのバックル」だという。
大きさは約7インチ×3.5インチ(約18cm×9cm)で、現在のスマートフォンとほぼ同じサイズ。しかし画面があるべき場所には、ターコイズ(トルコ石)や赤い半貴石などの美しい装飾がちりばめられていた。
「ナターシャの埋葬品はこの遺跡の中でも最も興味深いものの一つです。彼女のベルトだけが中国の五銖銭(ごしゅせん:古代中国の硬貨)で装飾されており、これが年代を特定する手がかりになりました」と博士は語る。
バックルには、ベルトを固定するための2つの丸い穴と、留め具として使うための楕円形の穴が開けられていた。どうやら彼女は、未来から来たタイムトラベラーではなく、古代ロシアの荒野を生き抜いた「超オシャレなファッショニスタ(あるいは女戦士)」だったようだ。

時間との戦いになる「ロシアのアトランティス」
この地域には、青銅器時代からチンギス・ハンの時代に至るまでの先史時代の墓が数多く眠っている。2019年には他にも、生前の職業で使っていた道具と共に埋葬された、一部ミイラ化した古代のファッショニスタが2体発掘されている。
トゥヴァ考古学探検隊を率いるマリーナ・キルノフスカヤ博士は、「この遺跡は科学的な大センセーションです。古代の墓泥棒に荒らされていない、豊かなフン族の遊牧民の墓を発見できたことは信じられないほどの幸運です」と語る。
しかし、研究者たちに残された時間は少ない。この遺跡はダムの貯水池の底にあるため、水が引いている短い期間にしか発掘できず、水没を繰り返すことで貴重な遺物が少しずつダメージを受けているからだ。
「ナターシャのiPhone」は、電波には繋がらなかったが、2100年前の古代人がどれほど高度な技術と美意識を持っていたかを、現代の私たちに鮮明に伝えてくれた。古代のトレンドは、意外と現代のテクノロジーと似ているのかもしれない。
参考:Daily Star、ほか
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2024.10.02 20:00心霊2100年前の墓から「iPhone」が出土!? タイムトラベラーの証拠かとネットを騒然とさせた“ナターシャのiPhone”とはのページです。iPhone、ロシア、アトランティスなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
