人類が一度も足を踏み入れていない『地球上で最も謎めいた場所』——南極の無主地から世界最高の未踏峰まで

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 北極点も、エベレストの頂も、勇敢な冒険家たちがとっくに制覇してしまった——地球にはもう、未知のフロンティアなど残っていない。そう思っている人は多いだろう。

 ところが、この星には今なお生きた人間がただの一人も足を踏み入れたことのない場所が、驚くほど数多く残されているという。古代の森の奥地から、神聖な山の凍てつく頂、そして海底の暗黒まで。地球最後の「空白地帯」を巡ってみよう。

どの国のものでもない氷の大陸——南極マリー・バード・ランド

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By TUBS – This vector image includes elements that have been taken or adapted from this file:, CC BY-SA 3.0, Link

 まず紹介したいのが、南極大陸の西部に広がる「マリー・バード・ランド」だ。ここは地球上でも数少ない、ラテン語で「無主地」を意味する“テラ・ヌリウス”の実例とされている。

 その面積、じつに約161万平方キロメートル。米アラスカ州にも匹敵する広さでありながら、どの国家にも属さない、法的に「誰のものでもない」土地なのだ。

 科学者の推計では、このうち99.6パーセントが人類の手つかずの原生地のまま残されているという。南極全体でも未踏地は32パーセントほどとされるから、いかにこの一帯が孤立しているかがわかる。

 とはいえ、ここは科学的には極めて重要な場所でもある。英国南極調査所で地図・地理情報センターを率いるアンドリュー・フレミング氏によれば、この地域には「スウェイツ氷河」が含まれるという。西南極氷床から流れ出す最大級の氷河のひとつであり、その将来のふるまいは世界の海面上昇を大きく左右しかねない——つまり、人類がまだ踏み込めていない土地が、人類の未来を握っているというわけだ。

神の怒りを恐れて誰も登らない山、そして氷の下の海溝

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ガンカー・プンスム山頂 By Gradythebadger – Own work, CC BY-SA 4.0, Link

 未踏の地が残る理由は、過酷さばかりではない。「畏れ」もまた、人間の足を止めてきた。

 その象徴が、世界最高の未踏峰とされるブータンの「ガンカー・プンスム」だ。標高7570メートルというこの巨峰の頂には、いまだ誰一人立っていない。神々の宿る神聖な領域とされ、登頂そのものが禁じられているためだという。

 技術的に登れないのではなく、「登ってはいけない」山——人間の征服欲すら退ける聖域が現代に残っているとは、なんとも痛快だ。

 一方、まったく別の理由で人類を拒む場所もある。北極海の海底に横たわる「ガッケル海嶺」だ。分厚い氷に閉ざされた極海の、押しつぶされそうな深海。あまりに過酷で危険なため、人間の到達を寄せつけないという。上には登れず、下にも潜れない——地球は意外と手強い。

6000の生命が息づく緑の迷宮、そして地底に広がる空白

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 最後に、生命に満ちあふれた未踏の地を挙げよう。ミャンマー北部の険しい山岳地帯に広がる「ノーザン・フォレスト・コンプレックス」だ。

 インドと中国の国境に挟まれたこの密林は、面積およそ3万平方キロメートル。東南アジアに残る最大級の手つかずの原生林とされ、その内部にはおよそ6000種もの生物が生息すると推定されている。人跡未踏の緑の迷宮に、どれほどの未知の生き物が潜んでいるのか——UMAファンならずとも想像が膨らむ。

 そして忘れてはならないのが、私たちの足元だ。世界の洞窟の奥深くには、いまだ誰の目にも触れていない何百キロにも及ぶ純潔の地下空間が広がっているとみられている。空を見上げ、海を渡ってきた人類だが、じつは自分たちの立つ大地の「内側」すら、まだほとんど知らないのだ。

 北極点にもエベレストにも旗を立てた私たちは、つい「地球はもう征服し尽くした」と思い込んでしまう。だが、氷も、山も、森も、そして足元の地の底さえ、いまだ手つかずの謎を残している。冒険の時代が終わったどころか、地球はまだ最後のページを見せてはくれないようだ。

参考:Daily Mail、ほか

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