古代文明は核戦争で滅亡した? 古代核戦争説にまつわる7つの事例

 ロシアのウクライナ侵攻が混迷を極める中、プーチン大統領が核兵器を使用する可能性が危惧されている。もし実際にそうなれば、世界を巻き込んだ第三次世界大戦に発展する可能性もあるだろう。ところで、一説によると、「これまでも文明は核戦争で何度か滅び復興を繰り返している」といわれている。今回はその中から7つの事例を紹介しよう。

古代文明は核戦争で滅びたのか?

 古代の書籍や神話には「人類文明が核戦争で滅んだ」ということを匂わせるような記述がある。その一部をご紹介する。

●事例1:旧約聖書

『旧約聖書』の「創世記」によれば、古来、ソドムとゴモラという町が栄えたが、いつしか悪徳と頽廃の巣になり果ててしまった。ソドミー(男色、獣姦)という言葉はソドムの町の名から派生する。

 神は硫黄と火の雨を降らせて町を消滅させることにしたが、その前に町に住むロト夫婦とその娘たちの元に天使を遣わし、「急いで町を去るように、決して振り返らぬように」と命じた。

 しかし、ロトの妻は振り返ってしまい、そのまま塩の柱になってしまう。

「主は硫黄と火とを、主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、これらの町と、全ての低地と、その町々の全ての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。
 しかし、ロトの妻は後ろを顧みたので『塩の柱』になった。アブラハムは朝早く起き、先に主の前に立った所に行って、ソドムとゴモラの方、及び低地の全面を眺めると、その地の煙がかまどの煙の様に立ち上っていた。」

 硫黄と火を降らせた、煙が立ち上っていた、後ろを見たら「塩の柱」になった、という表現は核爆弾が街に墜落したという地獄図の描写ではないかと言われることがある。一方で、ソドムはヨルダン渓谷南部の高台に位置する「トール・エル・ハマム」と呼ばれる都市であり、過去に隕石落下によって滅亡した可能性が最新の研究で指摘されてもいる。

・事例2:月蔵経

 仏教の教えによると、 釈迦が入滅したあと最初の1000年間は、仏法が正しく伝えられ守られる「正法の時代」だという。その次の1000年間、「像法の時代」で、教えや修行は伝えられるが、悟りを開く人がいなくなり、世が乱れていく。そして、その後、「末法の時代」が訪れ、人々は慈愛の心を忘れ、私利私欲に走り、悪行を重ね、争いが絶えない世の中になるという。

 末法の様相を表す仏典が「月蔵経」だ。釈迦は「月蔵経」の内容が非常に危険なものであった為、「月蔵経」を封印してしまうことを弟子達に命じたともいわれている。

 そこには「人類文明の崩壊」と思しき記述もある。

「是の時、須臾(しゅゆ)の間、大地が揺れ動き、空中で耳を聾(ろう)さんばかりの大きな音を出し、各所に被害をもたらす。数百、数千にものぼる火の手が上がり、空中に留まっている。

その時、空中で大きな音がして大地が震える。全ての物が巻き込まれ広がりゆく有様は、水面の波紋とそっくりだ。市街の壁は崩れ落ち、家屋は大小を問わず倒壊し、樹木は根こそぎにされる。」

「空中で大きな音」「大地が震える」「水面の波紋」というのは、まさに核爆発の際に爆風・衝撃波がもたらす現象と類似している。この記述が核兵爆弾に関するものだとしたら、仏典が創られた起源前後に、核兵器に関する知識があったのか謎である。とはいえ、月蔵経は密教色が濃厚な中期仏典であるうえ、釈迦は書物を書き残さなかったため、その信ぴょう性には疑問が残る。

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