謎に包まれた未解決事件3選! 奇妙な音声、煙突の死体、専門家の怪死…!
死因、犯人、殺害動機… なにもかもが不明の怪事件は科学捜査が発展した今も後を絶たない。今回はその中でも特に謎の深い海外の事件を3つ紹介したい。直前まで家族と連絡を取っていた人物が不可解な方法で亡くなったり、家族仲が良好だった少年が忽然と姿を消したり、遺体が奇妙な姿で見つかったりと、サスペンスフィクション顔負けの事件の数々だ。
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※ こちらの記事は2022年4月8日の記事を再掲しています。
近年、各国の警察は科学技術を活用した犯罪捜査に力を入れている。DNA鑑定などの精度も上がり、ほとんどの謎は解明されるかのように思われがちだが、それでも未解決事件は後を絶たない。最先端の科学技術をもってしても解明されない謎に満ちた事件のうち、オルタナティブメディア「Anomalien.com」に掲載された3つのケースを紹介しよう。
不気味な音声メッセージ
2015年9月7日の午前2時28分、米カリフォルニア州に住む女性、カリン・マッケイブは、携帯電話に届いた音声メッセージで目覚めた。それは彼女の夫であるヘンリー・マッケイブ(当時31)からのメッセージだった。再生すると悲鳴やうなり声、すりつぶすような音、さらにはよくわからない音が聞こえてきて、「やめろ!」という声の後に途切れたのだった。メッセージを聞いたカリンは恐怖した。
ヘンリーはリベリアからの移民で、当時はミネソタ州の税務署で監査人として働いていた。カリンとの結婚生活は11年目で、2児の父親でもあった。
6日夜、ヘンリーはバーで友人たちと飲むために出かけた。バーが閉店となるまでそこで過ごした後、同じリベリア出身の友人であるウィリアムに「自宅から1.5キロ離れたガソリンスタンドまで車で送ってほしい」と頼んだ。ウィリアムは彼を自宅まで送ると言ったが、ヘンリーは「歩きたい」と拒否したという。ウィリアムがヘンリーをガソリンスタンドで降ろしたのは午前2時頃だった。このときヘンリーは、財布や鍵を持っていなかったことが判明している。
ヘンリーが公園を通り抜けて自宅まで歩いている間、誰に出会ったのかは明らかになっていない。しかし、ウィリアムと別れてから約30分後、妻にメッセージを送信し、そのまま行方不明となった。
捜索は9月9日に始まって1週間続いたが、ヘンリーは見つからなかった。そして2カ月が過ぎた11月2日、カヤッカーが川でヘンリーの遺体を発見した。この場所はガソリンスタンドから約9キロ離れていた。
ヘンリーの遺体を調べた法医学の専門家は、殺人の可能性を示す刺傷、銃傷、打撲傷などを見つけられなかった。毒物学的分析でも死因を特定できなかった。最終的に警察はヘンリーが溺死したと結論付けたが、ヘンリーが姿を消す前夜に一緒にいた友人たちは、ヘンリーは酒をほとんど飲んでいなかったので溺れることはないはずだと証言している。
ヘンリーが自殺した可能性を考える人々もいた。ヘンリーは金銭と仕事の両方に問題を抱えていたからである。一方、警察の出した結論に納得し、本当に事故があったと信じる人々も少なくない。さらには、宇宙人による誘拐や正体不明の怪物との遭遇などの説を唱える人々もいるが、真相は今も闇の中である。
煙突での不自然な死
2008年5月8日、米コロラド州ウッドランドパークでジョシュア・マドゥックス(当時18)が散歩のために家を出たまま姿を消した。それから約7年後の2015年8月7日、建設業者が解体していた廃屋の煙突から、ジョシュアの遺体が見つかった。
遺体はレンガの中でミイラ化しており、薄いシャツのみを纏った半裸状態だった。他の衣服は暖炉の横にきちんと畳まれた状態で置かれていた。この廃屋はジョシュアの家から9キロ離れた場所にあった。
ジョシュアは両親の離婚後、父親と2人の妹と一緒に暮らしていた。身長183センチ、体重70キロで、長い金髪が特徴だった。音楽を好み、学校での成績も優秀な学生で、誰からも好かれていた。失踪の約2年前となる2006年6月1日、当時18歳だった兄が重度のうつ病に苦しんで自殺した。ジョシュアは兄の死にショックを受けたが、それでも順調な生活は続いていた。
ジョシュアは窃盗目的で煙突から侵入を試みたという可能性は否定されている。というのも、ジョシュアの遺体が発見された家は5月8日の時点で無人の廃屋で、鍵のかかっていないドアから直接入ることもできたからである。
検死の結果、遺体には刺傷、銃傷、打撲傷などが見られず、毒物学的分析の結果も陰性だった。即死ではないと推測されたが、何日もかけて餓死したわけでもないと考えられている。遺体は足が頭の上にある状態で発見されたが、服を脱いだ理由や頭から煙突に入った謎も解明されなかった。最終的に、ジョシュアは自発的に煙突に入って事故死したと結論付けられた。
警察は後に、ジョシュア殺害を自慢する男がいるという匿名の情報を得た。その容疑者は、暴力犯罪でテキサス州の刑務所に収監されている男だった。しかし、犯行を裏付ける証拠は見つからず、この男に対する訴えも取り下げられた。ジョシュアの死の真相は現在も謎に包まれている。
シャーロック・ホームズ専門家の死
2004年3月27日、英ロンドンにあるアパートのベッドで男性の遺体が発見された。死亡したリチャード・ランスリン・グリーン(当時50)は、アーサー・コナン・ドイルの探偵小説『シャーロック・ホームズ』シリーズの専門家だった。7歳から『シャーロック・ホームズ』に関連する記念品を集め始め、初版本などを含む貴重なコレクションを所有していた。自らの研究に関する本を数多く出版し、いずれはコナン・ドイルの伝記を記述するつもりだったとされる。
リチャードの死は、さながら探偵小説に描かれるような不可解なものだった。彼の遺体の首には紐が絡まっていて、その紐の端には木のスプーンが結ばれていた。整然と並べられたテディベアのぬいぐるみは、リチャードの死後に誰かが意図的に置いたようだった。そのため、殺人の可能性が考えられたが、警察は長期間にわたる捜査の結果として自殺と断定した。法医学的調査の報告によると、かなり難しいものの、ある程度のスキルがあれば、スプーンをてこのように使って自殺できるという。
リチャードは生前、うつ病などのメンタルヘルス上の問題を一度も経験したことがなく、現場からは遺書なども一切見つからなかった。しかし、リチャードは死の直前、コナン・ドイルに関連する貴重なコレクションの数々がオークションで売却されることに対して強く反対していた。コレクションはコナン・ドイルの息子であるエイドリアンの妻の所有物だった。リチャードはコレクションが多数の個人に分散されてしまうことを恐れ、オークションを中止し、コレクションをすべて大英図書館に寄贈すべきであると主張した。
一方、リチャードの妹は、生前の兄との会話に不審な点を感じ取っていた。リチャードは自分がアメリカ人に追われていて、自宅が盗聴されていると話していたという。
自殺と結論付けられたリチャードの死については、現在もさまざまな憶測が飛び交っている。真相を解き明かせるのはシャーロック・ホームズだけなのかもしれない。
参考:「Anomalien.com」「The Cinemaholic」「StrangeOutdoors.com」「The MALESTROM」ほか
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2024.10.02 20:00心霊謎に包まれた未解決事件3選! 奇妙な音声、煙突の死体、専門家の怪死…!のページです。自殺、遺体、行方不明、シャーロック・ホームズ、廃屋などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで