ヴードゥーの呪術で猛獣たちを手なづけた? ストリートギャングが率いる「世にも奇妙なサーカス団」=ナイジェリア

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画像は「Getty Images」より

 アフリカのナイジェリアで、サーカス団を率いる一風変わったストリートギャングが注目を集めている。彼らはヴードゥー教の秘術を用いて危険なスタントを行ったり、猛獣を手なづけており、観客からは超常的な力を操る呪術師として尊敬されているという。

「ハイエナ・メン」と呼ばれる彼らは、ナイジェリア国内を約半年かけて巡業しながら生活している。サーカスの団員である猛獣たちは、毒ヘビやハイエナ、ヒヒなど、一般的なサーカス団が連れていない種族ばかりだが、すべて自分たちの手で野生の状態から捕らえ、調教したのだという。

 ギャングのボスであり、サーカス団長を兼任するアル・ハザイ氏は、ドキュメンタリー番組の取材に対し「彼らが舞台に上がると、お客さんはたいてい驚くよ。なにせ、人には懐かないとされる動物ばかりだからね。神様が彼らを無害化する力を与えてくださったことで、この暮らしができるんだ」と答えている。

 その力とは、一体どのようなものなのか? ハイエナの調教師として50年のキャリアを誇るバラウさんは、ハイエナの口に頭を突っ込んだり、馬のように乗り回すなど、ハイエナたちを意のままに操ることができるというが……

「ある植物や霊薬を服用することによって、我々は特別な力を授かることができる。たとえ動物たちに咬みつかれたり、押さえつけられたりしても、痛みをまったく感じなくなるんだ。この力のおかげで、彼らにどんな芸だって仕込むことができるのさ」

「それは果たして調教と言えるのだろうか……」とツッコミたくなるが、ハイエナたちが懐いているのは事実。また、バラウさんいわく「猛獣よりも敵対組織の方がよっぽど怖い」という。巡業中に襲撃されることも珍しくなく、抗争が起きるとバラウさんはハイエナたちを敵にけしかけて戦う。猛獣たちはサーカス団員であり、ギャングの構成員でもあるのだ。

 また、ヘビ使いのヤハヤさんという男性によると「我々は伝統医療を用いる医師としての一面もあり、手作りの薬や魔除けのグッズが飛ぶように売れていく」のだという。いわく、彼らの薬は“神のご加護”によって、患者が望むとおりの効果を発揮するのだとか。

 ヒヒのトレーナーを務めるアブドゥラヒさんは、ヒヒたちを人間と同様に扱い、積極的に話しかけたり、服を着せたり、一緒に食卓を囲むなどして信頼関係を築き上げたという。今では、ヒヒたちも瓶入りのコーラを飲むなど人間の生活にすっかり馴染んでいる。アブドゥラヒさんはそんな彼らの姿を見ながら「まるで人間みたいだろ? そういう風に仕込んであるからね」と目を細める。

 近年、サーカス団による動物の調教は「虐待である」という論調が強まっているが、ナイジェリアでは今のところ合法だ。規制するべきという声も聞かれるというが、サーカスの興行は毎回大入りだという。

 ギャングの子どもたちは、幼い頃から猛獣たちと共に生活し、彼らを恐れないように教育されている。その方法も「霊薬を与えることで、毒が効かなくなったと思い込ませる」という力技だが、こうしてサーカスの運営は脈々と次世代に受け継がれていくのだ。子どもたちも、平気な顔をして大蛇を首に巻きつけている。

 ハイエナ・メンはハウサ・ムスリムと呼ばれる、西アフリカ最大のイスラム教勢力にルーツを持ち、彼らの伝統は何世紀にも渡って受け継がれている。一部では、ハイエナ・メンをハイエナの化身であると本気で信じている人々もいるという。

 世にも珍しい、ストリートギャングが運営するサーカス団。日本にもかつて、現役ヤクザの経営するラーメン屋が存在したように、まさにアフリカならではのシノギである。

参考:「Daily Star」「Our Life」ほか

文=ゼロ次郎

2015年からライターとして活動。 得意ジャンルは国内外のB級ニュースや珍事件。「TOCANA」 「実話ナックルズ」「日刊SPA!」を中心に執筆しているほか、 南阿佐ヶ谷のライブハウス「Talking Box」で、出版関係のトークイベントを毎月開催中。
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