ハマスとの戦争が終わらなければイスラエルは2030年までに消滅する!?

 イスラエルは2030年までに世界地図の上かから消え去る――。ロシアの軍事専門家が現在のハマスとの軍事紛争が解決しなければイスラエルは2030年までに消滅すると語っている。

■「戦闘が長引けばイスラエルの勝利はまったく不可能」

 ご存知のようにイスラエルとガザ地区の間で続いている対立と戦闘は全世界の注目の的となっており、民間人の被害も増え続けている。予断を許さぬ事態は今後どのように進んでいくのか。

 ロシアの生物学者であり生物・化学兵器の禁止に取り組む国連委員会の元メンバーで軍事専門家のイゴール・ニクリン氏はハマスとの戦いが終結しなければ、イスラエルは2030年までに存在しなくなるだろうと語っている。

 スペインの大手新聞「エル・ムンド」の取材でニクリン氏は現在のイスラエルの状況についての一連の質問を受けてそれに答えている。

「ハマスはスンニ派組織なので、クウェート、カタール、サウジアラビアが背後に立っています」とニクリン氏はハマスを支援しているのはイランではないと説明する。

「この件でイランを責めるのはばかげています。イランはヒズボラを支持しています。なぜならヒズボラはシーア派組織だからです」(ニクリン氏)

画像は「Pixabay」より

「エル・ムンド」は次にイスラエルがレバノンを攻撃している理由はヒズボラを攻撃し、それによってイランに対するより大きな軍事行動に移るためなのかと尋ねると「一般的にこの一件の大部分を引き起こしたのはイスラエル側であると私は感じています」とニクリンは答えた。

「これはすべて911の出来事に似ています。上からの命令がなければ、イスラエル諜報機関が失敗することは決してないでしょう。事前にすべてをオフにし、全員を休暇に送り、何も機能せず、システム全体が動作しなかったようです」(ニクリン氏)

 つまりイスラエルはハマスの突然の攻撃を知りながら意図的に何も準備していなかったのだとニクリン氏は示唆しているのである。

 アメリカが海軍艦隊と約4000人の海兵隊員を中東に派遣する理由を問われ、ニクリン氏は「これはアメリカに共通する政策対応です」と答えた。

 ニクリン氏はイスラエルは短期間の“電撃戦”で勝利することは可能だが、戦闘が長引くことになればイスラエルの勝利はまったく不可能になると指摘する。これまでの歴史でもイスラエルが勝った戦争はどれも短期間で終わるものであった。

画像は「Pixabay」より

■「イスラエルは2030年までに消滅する」

 次になぜアメリカがこの一件で積極的な関与を見せているのかとの質問に対し、ニクリン氏はこれらは実際の国民国家の政策ではなく「グローバリズム政策」が機能していると説明した。

「グローバリストはイスラエルを含むすべての国民国家を破壊したいと考えています。それがグローバリストが危機を生み出す理由です。彼らの計画によればイスラエルは2030年までに地図上に載っていないはずです。すべてのユダヤ人は現在のウクライナ、ロシア、米国の領土に移住しなければならないでしょう」(ニクリン氏)

 現在の状況が長引けばなんと2030年までにイスラエルは消滅するというのである。

「もしイスラエルがイランを攻撃したら、どのアラブ諸国がイランを支援できるのか?」との質問にはニクリン氏は次のように答えている。

「イスラエルは過去に、レバノン、シリア、パレスチナ、エジプトなど複数のアラブ諸国を一度に攻撃しました。これらの国は最低限の対戦国です。サウジアラビアとカタールは間違いなくパレスチナを支援するでしょうし、クウェート、UAE、イエメンも同様です。したがってイスラエルは総人口が2億人を超えるアラブ諸国連合と戦争をしなければならないことになります。たとえアメリカが支援したとしても、人口1000万人のイスラエルがこれに対処できる可能性は低いです」(ニクリン氏)

「Natural News」の記事より

 たとえイスラエルがアメリカから全面的な支援を得たとしても、実際に勝利するにはそれだけでは十分ではないとニクリン氏は説明する。

「たとえイスラエルがガザ地区のハマスの戦闘員をすべて殲滅したとしても、戦闘を続けるのに十分な数の戦闘員が他のアラブ諸国に残るでしょう。唯一の合理的な選択肢は、1947年時点の国境でパレスチナ国家成立を承認することです」(ニクリン氏)

 一度は採択された国連による1947年の「パレスチナ分割決議」を再び実現させる以外に解決策はないとニクリン氏は語る。ちなみに「パレスチナ分割決議」ではパレスチナは現在のイスラエルの国土の43%の領土を確保することができる。

 イスラエル軍によるガザ地区への陸上侵攻がこの先本格化すれば人道面でさらに悲惨な状況になることは火を見るより明らかだ。ともあれできる限り早い時点で戦闘を終結させなければならないし、そうしなければイスラエルの存亡にも関わってくるという話になっているのである。まずは一刻も早い停戦を望みたい。

参考:「Great Game India」、「Natural News」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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