【未解決】セレブ金融ライターの“奇妙すぎる飛び降り自殺”事件! 謎の電話とメモ、消えた監視カメラ…
2006年、32歳のレイ・リベラにとって、人生は順調そのものだった。
リベラは米メリーランド州ボルチモアを拠点とするライター兼ビデオグラファーで、投資会社「スタンズベリー・アンド・アソシエイツ」社の金融ライターとして優れた仕事をしていた。リベラには、結婚して間もない妻のアリソンがいて、ジョンズ・ホプキンス大学の水球チームのアシスタントコーチも務めていた。
彼は将来、脚本家になるという夢があり、妻と一緒にロサンゼルスに引っ越す計画を立てていた。そう、彼の前には大いなる未来が開けていたのだ――。
■セレブ金融ライターが謎の“自殺”
2006年5月16日、リベラは会社からの電話を受けた後、午後4時頃に家を出た。その時妻は出張中だったが、リベラは泊まりに来ていた知人に外出すると伝えた。知人は、リベラが何かに動揺しているようで、慌てた状態で家を飛び出し、書斎の電灯やコンピュータの電源を切ることさえしなかったと説明した。
翌朝になってもリベラから何の連絡がなかった。妻からの電話にも出ないリベラを人々は心配し始め、警察に行方不明の届けが出された。しかし1週間後の5月23日、町の中心にあるマウントバーノンの駐車場で、彼の車が放置されているのが発見された。
そのニュースを聞いた翌日、リベラの同僚たちは、車が見つかった駐車場付近を探索した。駐車場の最上階から辺りを見回した時、近くにある歴史的建築のホテル・ベルヴェデーレの屋根に穴が開いていることに気づいた。
警察が捜索したところ、ホテルの使用していない会議室でレイ・リベラの腐乱した遺体を発見した。状況的に、遺体はホテルの屋根の穴を抜けて墜落したように見え、警察は明らかな自殺と考えた。
しかし、妻のアリソンは夫が自殺するわけはないと強く主張した。リベラに精神病の病歴はなく、現在進行中のプロジェクトに熱心に取り組んでおり、ロサンゼルスに引っ越し新たな人生をスタートさせる計画も立てていたからだ。
またリベラの家族もそれを裏付ける。彼が高所恐怖症であり、屋上から身を投げるなんてあり得ないと証言したのだ。
そして、この「自殺」に数々の奇妙な点が浮かび上がってきた。
まず、14階建てのホテルの屋根に通じる階段に設置されているセキュリティカメラが、リベラの「自殺」した日に取り外されていたことだ。
もう1つは、屋根の角度を考えた時、リベラの遺体は隣接する建物の屋上から著しく離れた所に落下していて(13メートル)、人がそれほど遠くにジャンプできるものなのか、という疑問があった。そして隣の建物の屋根の上に、彼の靴と携帯電話が見つかったが、電話は全く壊れていなかった。
さらにリベラがいつもお守りのように身につけていたマネー・クリップがなくなっていたことも奇妙だった。リベラの遺体からは駐車券が見つかり、それは彼が失踪した日、この駐車場に車を停めたことを示していた。
そして彼の自宅のコンピューターには、奇妙で不可解なメモが貼られていた。それはタイプされていて、「兄弟姉妹」に宛てられており、フリーメーソン、映画、映画スター、映画監督などについて、無意味な単語やフレーズが書かれていた。それは基本的にとりとめのない、乱雑な書きなぐりで、誰にも理解できないことが書かれており、FBIはこのメモは書置きではないと判断した。
リベラの死には、自殺の兆候がなかった高所恐怖症の男性が、どのようにしてベルヴェデーレ・ホテルの隣のビルの最上部に登り、まるで走幅跳のように遠くまで飛べたのかという疑問が残った。
警察は正式に、リベラの死を自殺と断定したが、そこには多くの疑いが残る。リベラは何者かに殺害されたと周囲の人は感じていた。
妻アリソン・リベラによれば、夫がここ数日間、電話の音に飛びあがり、非常にナーバスに見えたという。またリベラが妻と外でランニングをしている時、見たことのない男を見てパニックになり、妻を急いで家に帰したと述べている。また別の時に、リベラの家の警報が鳴り、リベラはとても怯えていたという。このような態度は、普段のリベラとは非常に異なっていたということだ。
「彼は私が出かける時は、いつも付いてくるようになり、私に一人で外出をさせませんでした。夫はラテン系の大男で体もメンタルもマッチョだったのに、まるで人が変わったようでした」(アリソン)
■黒い疑惑
リベラがカリフォルニアからボルチモアに引っ越してきたのは、長年の友人である投資会社「スタンズベリー・アンド・アソシエイツ」社の創設者ポーター・スタンズベリーから、金融ニュースレターを執筆する依頼を受けたからだった。しかしこの会社は、かつて米国証券取引委員会(SEC)から、「インターネットのニュースレターに虚偽の情報を流布することによる詐欺行為」で有罪判決を受けていた。
リベラの頼まれた仕事は、投資家に購入するべき株について、そのニュースレターで助言することだった。妻アリソンはリベラの仕事は、会社の悪い評判を一掃することだったというが、リベラの仕事が会社のダークサイドに関わるものだったことは、容易に推測できる。
そして最も奇妙なのは、リベラの「自殺」後の会社の対応だった。会社は、リベラの遺体が発見されてからわずか数時間後に、全従業員にリベラの死について警察に話すことを一切禁じる命令を出した。
リベラが家を出る原因となった電話が、スタンズベリー・アンド・アソシエイツ社からのものだったことはわかっているが、誰がかけたかはこの緘口令により解明できなかった。リベラの長年の友人で会社の創設者のポーター・スタンズベリーも、当局からの事情聴取を拒否した。
リベラはニュースレターで虚偽情報を流すことによって、投資会社の詐欺に加担した可能性が高い。そしてもしリベラが当局の聴取に応えたら、それは会社にとって一巻の終わりであったろう。現在、この事件はネットフリックスのエピソードとして取り上げられ、再び人々の注目を集めている。はたして事件の闇は暴かれるのだろうか。
参考:「Mysterious Universe」、「The Sun」、ほか
※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。
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