地球は「第6の大量絶滅」に突入したのか? ― 4万8646種が絶滅の危機… 人類は“静かなる終末”を止められるのか

地球の歴史を通じて5回の大量絶滅が起きているが、実は現在、すでに6回目の大量絶滅に突入しているのかもしれない。野生生物の4万8646種が絶滅の危機に瀕しているのだ――。
■野生動物の4万8646種が絶滅の危機
10月10日にアブダビで開催されたIUCN(世界自然保護会議)で最新の「レッドリスト」が発表された。レッドリストには現在17万2620種が掲載されているのだが、そのうち4万8646種が絶滅の危機に瀕していることが報告されている。
目立つところではホッキョクアザラシ3種が絶滅に近づいており、ズキンアザラシ(Cystophora cristata)の絶滅危惧度が「危急」から「危機」に、アゴヒゲアザラシ(Erignathus barbatus)とタテゴトアザラシ(Pagophilus groenlandicus)が「軽度懸念」から「準絶滅危惧」にそれぞれ引き上げられた。

また鳥類全体の61%の個体数が減少しており、マダガスカル、西アフリカ、中央アメリカに生息する種が最も危険にさらされていることも明らかになった。2016年の44%から大幅に増加しているのだ。
「世界の鳥類の5種のうち3種の個体数が減少しているという事実は、生物多様性の危機がいかに深刻になっているか、そして各国政府が複数の条約や協定に基づいて約束した行動を取ることがいかに緊急であるかを示している」とレッドリスト管理委員会コーディネーターのイアン・バーフィールド博士は述べた。
「アブダビのIUCN会議で発表されたレッドリスト更新版は、私たちの前にある緊急の課題と大きな可能性の両方に光を当てています」とIUCN事務局長のグレテル・アギラール博士は述べた。
アザラシは船舶輸送、騒音、石油や鉱物の採掘、狩猟、漁業における混獲など、さまざまな危害にさらされているが、IUCN共同議長であるキット・コヴァックス博士によると最大の脅威は気候変動だという。
「スヴァールバル諸島では毎年、海氷が後退し、ホッキョクアザラシがいかに脅威にさらされているかが明らかになっており、繁殖、休息、採食が困難になっています」とコヴァックス博士は説明した。
「ホッキョクアザラシの保護は、単に種を守るというだけにとどまりません。それは私たち全員にとって不可欠な、北極の繊細なバランスを守ることなのです」(コヴァックス博士)
しかしすべてが悲観的というわけではない。
1970年代以降、海岸で営巣する雌と卵の保護に重点を置いた保全活動のおかげで、アオウミガメの個体数は約28%増加した。
「アオウミガメの回復は、私たちが決意と団結を持って行動すれば保全が機能することを思い起こさせてくれます」(アギラール博士)

「アオウミガメの進行中の世界的回復は、数十年にわたる世界規模の協調的保全により、長寿の海洋種の個体数を安定させ、さらには回復させることができるという力強い例です」と、IUCNの種の保存委員会の海洋ウミガメ専門家グループの共同議長、ロデリック・マスト氏は述べた。
11月にベレンで開催される気候変動枠組条約締約国会議(COP30)を前に、各国政府と地域社会には生物多様性を守り、気候を安定させ、人と自然が共に繁栄する未来を築くための行動を加速させることが求められているとアギラール博士は提唱する。
はたして我々はレッドリスト入りした種をいくつ救い出すことができるのか。COP30で何が話し合われるのか注目していきたい。
参考:「Daily Mail」ほか
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2024.10.02 20:00心霊地球は「第6の大量絶滅」に突入したのか? ― 4万8646種が絶滅の危機… 人類は“静かなる終末”を止められるのかのページです。ウミガメ、レッドリスト、アザラシ、野生動物、大量絶滅などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで