悲劇の現象学 Vol.3

尼崎事件で女店主が目撃したアレをむさぼり食う角田美代子と「金髪デブ軍団」の奇行!

分析心理学の父、カール・グスタフ・ユングは、「シンクロニシティ」という概念を唱えた。一見、関連がないように見える事象が相互につながり合っていることを説いたのだ。かつてメディアを賑わせた凄惨な事件や悲劇的な事故。その現場に残された〝遺物〟をたどると、忌まわしい記憶と、我々が過ごす平凡な日常をシンクロさせる見えない糸が浮かび上がってくる。事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー「悲劇の現象学」シリーズ

【尼崎事件】女店主が目撃した!アレをむさぼり食う角田美代子と「金髪デブ軍団」の奇行!の画像1画像は、角田美代子。Wikipediaより

【第3の遺物「角田美代子と“粉もの”」】


 兵庫県尼崎市を舞台に、複数の家族が崩壊に追い込まれ、多数の死者・行方不明者が出た「尼崎連続不審死事件」。暴力と洗脳で他人を支配し、その資産と命までも奪い取り、2012年10月に発覚するまで、四半世紀にわたり、悪行を重ね続けたのが、角田美代子だ。


■事件化されていない“不審死”がまだある

 事件がマスコミに大きく報じられ、全容解明に向けて動き出した矢先の同年12月、獄中で自殺。ついに、その全貌が明らかになることはなかった。

「角田は尼崎に移る前、西宮市にも住んでいたことがあり、その時にも周囲にいた複数の人間が謎の死を遂げている。報じられているより多くの犠牲者がいる可能性が高い」(捜査関係者)

 角田は食い物にした家族から気に入った者だけを選び出し、自身のファミリーに迎え入れた。そうして築いた、かりそめの家族とともに、監禁小屋を備えたマンションで異様な集団生活を送っていた。

 そんな「鬼女」がこよなく愛したものがある。
  
「あれは、お好み焼きとたこ焼きがやたらと好きでな。いわゆる『粉もん』や。それこそ毎日のように食うとったわ」地元・尼崎の知人は、こう振り返る。

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