臭くて、嫌われ者でも落ち込むな!! 科学論文で判明した意外な利点

 多くの人が、何かしらの劣等感を心の底に抱えながら生きいている。それは百人百様ではあるが、劣等感に飲み込まれた結果、性格も卑屈になり、さらに他者を遠ざけてしまう、という負のスパイラルに陥る可能性を指摘する声もある。

 さて、劣等感は外見的な特徴のみに生じるわけではない。他人と馴染めなかったり、なかなか増えない所得、自身の体臭などに悩むこともあるだろう。しかし、5月12日付の英紙「The Daily Mirror」が報じたところによると、一見ネガティブに捉えがちなこれらの面にも、意外なメリットが存在することが研究によって明らかになってきたようだ。

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■体臭がキツい人に周囲は優しい!?

 ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の研究者たちが取り組んだ実験では、キツい体臭は周囲の人々に憐れみの情を抱かせ、親切や協力を引き出すことができるという事実が確認されたという。

 悪臭はネガティブなイメージを引き起こすものと長らく考えられてきた。しかし応用社会心理学の学術誌上で発表された実験結果によると、私たちは悪臭を放つ人に同情を感じやすく、助けずにはいられない気持ちになってしまうという性質も持っているようだ。

 これから夏がやって来るが、自身の体臭がキツいと自覚している人は、無理に香水やボディスプレーなどでごまかそうとしない方が、幸運に恵まれる機会が増えるかもしれない。


■貧乏人は誠実に生きている!?

 米カリフォルニア大学バークレー校の社会心理学者、ポール・ピフ博士が取り組んだ研究では、年収2万5,000ドル未満の人のほうが、年収10万ドルを超える高所得の人よりも、慈善団体に寄付する金額の所得に占める割合が高いことも明らかになっている。さらに、高所得の人ほど交通ルールなど細かい社会の決まりを守らない傾向にあるという。

■嫌われ者は健康!?

 嫌われ者は交友関係も狭く、日々多くの人と接触することがない。そのためウイルスや細菌などへの感染が少ない傾向にあるようだ。

 2009年に豚インフルエンザが世界中で流行した際、世界保健機関(WHO)でアドバイザーを務めていたデアドル・ホリングスワース博士も、「伝染病に感染するリスクは、菌に接触した回数やケースに左右されます。人とたくさん話せば、それだけ多くの菌と接触することになるのです」と語っている。

 さて、このようなメリットがあるからと開き直り、臭くて、貧乏で、嫌われ者のままいることは当然マズい。体臭がキツいことで同情を得られたとしても、決して相手に好かれているわけではない上、誠実かどうかは個人の生き方の問題だ。さらに周囲から嫌われ、狭い交友関係の中で生きることは、社会的に健全であるとは言えないだろう。あくまでも参考程度に捉えておいたほうがよさそうだ。

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