「脳は宇宙意識の受信機にすぎない、自我は宇宙意識の一部」科学者が断言！ 利他主義や一体感の謎が解明し、スピと科学が融合へ

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　２つ目は、利他主義を説明できる点だ。生物学で言われているように、人間は遺伝子の乗り物に過ぎず、自己の生存や自己の遺伝子の拡散にしか興味がないとすると、利他主義の説明は困難だ。

　他人に優しくすると自分が良い気持ちになるという心理学的な説明や、進化の上で利他主義が無意識のうちに自己利益に繋がってきたという進化生物学的説明もあるが、タイラー氏は、こうした説明では人類に深く根差した利他主義の全射程を解き明かしたことにはならないと言う。

「もし我々が根本的に自己中心的な存在だとしたら、なぜ他者のために命の危険を冒そうとするのでしょうか？　大体において利他的な行動は瞬間的で自発的です。特に危機的な状況ならなおのことそうでしょう。それはまるで利他的行為が人類の本能としてインプットされているかのようです」（タイラー氏）

　利他主義も根源説ならば簡単に説明がつくという。ポイントは“共感”である。

　人間は根源的な意識を共有しているため、他者の苦しみを感じ取ることができ、利他的な行為で応えることができるというのだ。また根源的な意識は人間以外にも共有されているため、動物に感情移入し、利他的な行動をすることができるという。

　共感においてタイラー氏が注目しているのが“覚醒経験”だという。意識の覚醒度が強まり、拡張すると、他者、自然、世界と一体になる経験をすることがたびたび宗教者らによって報告されてきたが、タイラー氏はこうした覚醒経験を根源的宇宙意識との接触だと考えているという。一体感を感じるのは、根源的意識がそもそも１つだからであるとのことだ。

　根源説はもちろん仮説であるが、一考に値するアイデアだろう。科学だけでは解明できない謎があることは間違いないからだ。タイラー氏が言うように、今後、根源説のようなスピリチュアリズムと科学の融合こそが世界を理解する上で重要になってくるかもしれない。

参考：「The Conversation」、ほか

TOCANA編集部

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