実在した『ベルばら』のオスカル的な英雄を亜留間次郎が解説! アメリカ独立戦争の雄、カジミール・プラスキ将軍は男装の麗人だった!?
欧州の貴族というと大きなお城に住んでいる大富豪のイメージが強いですが、実際には上中下ぐらいの階層がありお城に住んでいるのは上流貴族だけです。中流や下流の貴族はお城の舞踏会にも招待されません、何気にシンデレラの家は上流貴族だったのです。
日本に身分の低い貴族のイメージが無いのは、明治時代に華族制度を作った時に上流貴族の身分だけを制定して、中流や下流の華族を作らなかったことが原因だと思われます。
上流貴族になると王国の内部に自分の公国を持っている状態になることも珍しくありません。ポーランド王国クールラント公国は江戸時代の日本のように大名が自治権を持つ藩と同じだったとイメージしてもらえば近いです。
実際に幕末の頃は、欧州の王家が日本の藩を公国と呼んでいました、明治になって大名が華族の公爵になったのは、欧州視点からは「大日本帝国薩摩公国島津公爵」という風に扱われていたことと対応しているのです。
下流貴族になってくると地主程度の扱いで、持っている領地も村一つ分とかになってきます。プラスキ将軍もフランチシュカも下流貴族の子供なので、上流貴族の家の使用人になったのが実情だと思われます。
よく漫画などに登場する貴族の家の執事やメイドなどですが、使用人が何十人も居るような上流貴族になってくると、文字の読み書きも出来ないレベルの農民の子とかでは、役に立たないどころか邪魔なので使えません。身元が確かなことも重要で、何か問題を起こした時は実家に文句をつけることができます。
義務教育すら無かった時代、基礎教養がある人間はかなり限られていていました。最低でも貴族としての基礎教養がある貴族の、作りすぎて余った子が上流貴族の使用人として雇われます。また、貴族しか軍人の将校になれなかったので、余った下級貴族の三男以下が少尉や中尉と言った小隊長レベルの指揮官に就職することも普通でした。上級貴族は大佐などの連隊長になるので、軍将校の階級=貴族の身分です。
当時の貴賤結婚とは、貴族と平民ではなく、上流貴族の男性と下流貴族の女性の結婚です。それですらよほどのことが無いと認められないほど、身分制度の壁は厚かったのです。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊実在した『ベルばら』のオスカル的な英雄を亜留間次郎が解説! アメリカ独立戦争の雄、カジミール・プラスキ将軍は男装の麗人だった!?のページです。米国、ポーランド、カジミール・プラスキ、米国独立戦争、騎兵などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで