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■そして伝統へ
プラスキ将軍がアメリカに伝えたポーランド騎兵の伝統は、西部劇でおなじみの騎兵隊となりました。アメリカで騎兵隊と言えば、突撃ラッパの音と共にピンチに駆けつけてくれる西部劇の定番ヒーローです。
そして、第二次世界大戦でポーランドの騎兵がナチスドイツに蹂躙され壊滅したころ、アメリカ騎兵は最後の意地をみせます。
1942年1月16日、進撃してくる日本軍相手に馬にまたがり、サーベルを手にプラスキ将軍の旗を掲げ、騎兵ラッパを鳴らしながら最後の騎兵突撃を行いました。日本兵は馬に踏みつぶされ、サーベルで切り刻まれ、進撃は遅滞して、マッカーサー元帥は日本軍の魔の手から逃げ延びました。
マッカーサー元帥の名言「わたしは戻ってくる(I shall return)」は、この時にアメリカ最後の騎兵隊長エドウィン・ラムジー中佐にかけられた別れの言葉なのです。
ラムジー中佐はマッカーサー元帥の言葉を信じてゲリラとなり、フィリピンで日本軍と戦い続けました。最後は食べる物もなく自分の馬を食べ、武器弾薬も尽きてサーベル一本しかなく、病気で瀕死でした。それでも最後まで戦い抜き、マッカーサー元帥が戻ってきたときには痩せ細った体で出迎えたのです。
マッカーサー元帥はラムジー中佐に、「わたしは帰ってきた(I have returned)」と言いました。その一言を聞いたラムジー中佐は病気と過労で倒れ、入院して一年に及ぶ闘病生活の末に健康を取り戻しました。
まるでプラスキ将軍とクールラント公爵カールの再会を後の世で再現したかのような出来事でした。
軍人が馬に乗らなくなった現在も、伝統としてアメリカ軍には騎兵隊が存続しています。アメリカ人にとって騎兵はヒーローであり心の父なのです。
参考:「Mysteries Surrounding Casimir Pulaski」「Wikipedia」ほか
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