「ダイヤモンドの大雨」が降る惑星が確認される! 天王星型惑星の謎と神秘とは?
米・スタンフォード大学にある実験室「SLAC National Accelerator Laboratory」で行われた実験では、巨大氷惑星の内部にあるメタンをサンプルとして使用する代わりに、発泡スチロールとして知られている炭化水素ポリスチレン(C8H8)が使われた。
研究チームはポリスチレンに熱と圧力を加えた後、光学レーザーを使用して、波打つ衝撃波を生成させた。それらの衝撃波によって温度は華氏8540度に急上昇し(参考までに地球の中心部は華氏約1万800度である)、素材の圧力も150ギガパスカルに急上昇した。こうして天王星型惑星の内部が再現されたのだ。
この実験により、ポリスチレンが炭素と水素に分離し、炭素がダイヤモンド構造に圧縮される過程を詳しく観察できたのである。実験室で「ダイヤモンドの雨」を降らせることに成功したのだ。
■コアへ向かう「ダイヤモンドの雨」で高エネルギーが発生
太陽系内では珍しい天王星型惑星だが、銀河系全体では天王星型惑星のほうが木星や土星のようにガス成分が多く、比較的密度が低い「木星型惑星」よりも数が多く、NASAによれば銀河系全体で天王星型惑星の数は木星型惑星の10倍になるということだ。
銀河系で“メジャー”な天王星型惑星をよく理解することは、今後の宇宙開発において重要な意味を持つ。例えば海王星の内部は太陽から吸収しているエネルギーの2.6倍の熱量が発生しているのだ。
これはコアへと沈み込んでいく「ダイヤモンドの雨」が、周囲の物質との間の摩擦によって熱を発生させているからだと考えられるという。
そして今回の実験の成功は、太陽系の他の惑星の内部を探査する道を拓くものにもなったという。
「この手法により、他の方法では再現が難しい興味深いプロセスを測定できるようになります」とHZDRのドミニク・クラウス博士は語る。
「たとえば、木星や土星などの巨大ガスの内部に見られる元素である水素とヘリウムが、これらの極限環境下で、どのように混合および分離するかを確認できます。これは、惑星と惑星の進化の歴史を研究する新しい方法です」(ドミニク・クラウス博士)
地球以外の惑星についてはまだまだわからないことが多いが、こうした研究を通じて、さまざまな種類の惑星の成り立ちについての理解が着実に深まっていると言えるだろう。
参考:「Science Alert」、「Popular Mechanics」ほか
文=仲田しんじ
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