今話題の怪談師・田中俊行が「絶対に聞いてはいけない」最恐の怪談2つを暴露! 清水あいりが取り乱して大号泣!!
不審に思いながら近づいていくと、K君に気づいた彼女が「地元の方ですって。ご家族なんです」と一緒に喋っていた人たちを紹介してくれたんです。見ると、父親と母親、そして中学生ぐらいの娘と小学生ぐらいの息子の4人家族でした。
でも、K君は不審に思ったのです。というのも、辺りには民家もないような寂しい場所だし、その家族が乗ってきたと思われる車も見当たらない。
すると、4人家族の父親がK君に「ここは釣れないんですよね。もっと釣れる場所を知っているんで、連れて行ってあげますよ」と言ったのです。でも、K君はそう言われて躊躇しました。
清水 そうですよね。会ったばかりでどういう人なのかもわからないし。
田中 そう、それに何か妙な違和感があるんです。それでK君が断ろうとすると、彼女がK君の言葉を遮るように「行こうよ!」と言うんです。
清水 彼女は「行こう」というんですか?
田中 そう。強引に誘ってくるんです。結局、K君は彼女の勢いに負けて、よく釣れる場所に案内してもらうことにしました。「嫌だなあ」と思いながらもついて行くと、先導している父親の後ろ姿を見て「おや?」と思った。なぜなら、本来なら隠れているはずの“服のタグ”が見えていたからです。そう、父親はシャツもズボンも全部裏返しに着ていたのです。しかも、ふと母親や娘、息子の方に目をやると、なぜか全員が服を裏返しに着ている。
日本には「逆さごと」という風趣がありまして、死者には着物を左前にして着せるなど普段とは逆のことをさせるんです。そうすることによって、生者と死者を区別するのです。直感したK君は、彼女に「この人たちについて行ったら、大変なことになるんじゃないかと思う。だから、もう行こう」と耳打ちしました。そして、K君は彼女の手を引っ張って、走って逃げました。車に着くとK君は彼女を助手席に押し込んだのですが、彼女は「わけがわからない」と言ってめちゃくちゃ怒っていました。
K君は恐怖で取り乱しながら「お前、気付かなかったのか? あいつら全員服を裏返しに着ていたぞ! 履いていた靴まで左右逆だった。あれはヤバいぞ」と言った、その瞬間。彼女は、
「えーー! すごーい!」
と言いながら、手の甲でパチパチと“逆さ拍手”をしたのです。
清水 キャ~~〜!!!!
田中 彼女がなぜかゲラゲラと笑い出すなか、K君はアクセルを踏んでいるのですが、車がザザザーッと海のほうにどんどん吸い込まれていく。「あーっ!! 海に落ちる!!」と思わず叫んだら、なぜか彼女が前に乗り出して「大丈夫、前に進んでいるよ」と言って気を失った。そこからもう1回、K君がエンジンをかけ直したら、引っ張られていた車が海に入る寸前で止まって、正常に動き出したのです。それでK君はようやくその場から離れることができたのですが、バックミラーを見たら4人家族がすぐ近くまで来ていたのが見えた。みんな寂しそうな表情をしていたそうです。
帰宅後、彼女は意識を取り戻したけれども、なぜか家族のことなど覚えていなかったそうです。“穴場”を教えてくれた友達に事の顛末を語ったら、「ああ、その場所はかつて車ごと海に飛び込んで死んだ一家心中があった場所なんだ」と教えてくれたそうです。
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2024.10.02 20:00心霊今話題の怪談師・田中俊行が「絶対に聞いてはいけない」最恐の怪談2つを暴露! 清水あいりが取り乱して大号泣!!のページです。呪い、中国、アルバイト、白神じゅりこ、怪談、山、釣り、清水あいり、田中俊行、オカルトエンタメ大学、逆さ拍手などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで