マニア垂涎の鉄道遺産が東京に出現! 「お茶の水橋」の“不要不急路線”が90年ぶりに出土して胸アツ、大変貴重!

マニア垂涎の鉄道遺産が東京に出現! 「お茶の水橋」の不要不急路線が90年ぶりに出土して胸アツ、大変貴重!の画像1

 鉄道マニアから廃線マニアまで、思わず唸ってしまうような鉄道遺産が東京都心に現れた。場所はJRお茶の水駅前にかかる「お茶の水橋」(東京都千代田区・文京区/神田川)。昨年ここでは橋梁補修補強工事が行われており、現場から都電(旧・東京市電)のレールが“出土”したのだ。

 発掘されたのは、昭和6年完成した2代目となるお茶の水橋(初代のお茶の水橋は明治38年に完成)に敷かれていた東京市電外濠線(通称:錦町線)のレールで、アスファルトの下に90年近く眠っていた。外濠線は明治37年に東京電気鉄道が開業した御茶ノ水〜新常盤橋の区間の路線だった。

マニア垂涎の鉄道遺産が東京に出現! 「お茶の水橋」の不要不急路線が90年ぶりに出土して胸アツ、大変貴重!の画像2

 このレールは、“溝付きレール”と呼ばれているもので、車輪のフランジ(脱線防止のために車輪の外周に設けたでっぱり)を逃がすための溝がついている。普通のレールにペリカンの曲線的なくちばしがついているという感じだ。ホールマークから昭和5年の英ボルコウ・ボーン製だと判明している。工事を進める中で、当時の面影を残す石畳も姿を現した。

 2代目のお茶の水橋が建造され、このレールの利用が開始されたのは昭和6年6月8日だ。しかし、戦争中の昭和19年に“不要不急路線”と見なされ、戦後に廃止されてしまった。その後、お茶の水橋に残っていた線路は、自動車交通の妨げになることから、敷石とともにレールもアスファルトの下に埋められてしまっていた。

マニア垂涎の鉄道遺産が東京に出現! 「お茶の水橋」の不要不急路線が90年ぶりに出土して胸アツ、大変貴重!の画像3

 昨年6月2日から8月2日まで、岡山シティミュージアム(岡山県岡山市)の企画展「鉄道のまち おかやま」で、今回発掘されたレールが展示された。これには、多くの鉄道ファンが訪れたが、90年前に廃止された東京市電外濠線のレールを見るチャンスはもうない。今は鉄道マニアや廃線マニアがカメラに収めた写真記録が残るだけだが、こうした資料は後々大変貴重なものになるだろう。ありがとう『お茶の水橋』。

関連キーワード:, , , , ,

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

酒井透の記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

マニア垂涎の鉄道遺産が東京に出現! 「お茶の水橋」の“不要不急路線”が90年ぶりに出土して胸アツ、大変貴重!のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング17:35更新