2000年前に高度な脳外科手術が行われていた決定的証拠! 「謎の金属で頭蓋骨を塞ぎ…」医師も驚愕
南米ペルーで発掘された古代の長頭の頭蓋骨に、未知の種類の金属を使って頭を結合させる手術を受けた痕跡があることが判明した。英紙「Daily Star」(1月16日付)が報じている。
この奇妙な頭蓋骨は、2000年前の戦いで損傷したものと考えられており、現在米オクラホマ州の「SKELETONS.Museum of Osteology」が所蔵している。
負傷した状態で戦場から帰還した古代の戦士が、頭蓋骨の手術を受けたと推測されており、どのような方法かは不明だが奇跡的に金属を融合させて損傷部分を塞ぐことに成功したとペルーの医師は考えているそうだ。同ミュージアムの専門家もこの男性が手術を受けて生き残ったと思っているという。
「この金属が何かはわかりませんが、伝統的にこの種の処置には銀や金が使われていました。この人物が手術を受けて生き残ったことは分かっています。割れた骨の周りにある修復部分を見ると、しっかりと融合していることがわかります。手術は成功したのです」(広報担当者)
この頭蓋骨はもともと同博物館には展示されていなかったが、ネット上でバズったことで2020年に展示されることになったそうだ。
米チュレーン大学の身体人類学者ジョン・ヴェラーノ氏によると、武器が主に投石機や棍棒であったため、頭蓋骨の骨折は戦闘中によく見られる怪我だったと言われており、だからこそ当時のペルーの外科医はその治療の専門家となったという。その1つにトレパネーション(穿頭術)もあり、古代ペルーの外科医は、簡単な道具で生きている人間の頭蓋骨に穴を開ける治療法を確立していたという。
「彼らはこの治療法が命を救うことができるということを早くから知っていました。トレパネーションは意識を高めるためや純粋に儀式的な活動として行われたのではなく、重度の頭部損傷、頭蓋骨骨折の患者に関連しているという圧倒的な証拠があります」(ヴェラーノ氏)
また頭蓋骨が細長く変形しているのにも理由があるという。米コーネル大学の生物考古学者マシュー・ベラスコ氏によると、当時細長い頭は威信の証であったと考えられるという。古代ペルー人はステータスシンボルとして意図的に頭蓋骨の形を変えていたというのだ。幼児の頭を布で包んだり、あるいは頭を2本の木で挟んだりすることで変形を行なっていたという。
参考:「Daily Star」、ほか
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