中世医学を再解釈、魔術は信念による自己治癒?
プラセボ効果は「意味のある反応」 中世医学を再解釈、魔術は信念による自己治癒か?
中世の魔術とプラセボ効果の関係性
モアマンはネイティブアメリカンの民族植物学とプラセボ効果の専門家であり、2018年に「Perspectives in Biology and Medicine 」に掲載された記事で、プラセボ効果という用語を「意味のある反応」に置き換えることを提案した。
モアマンのこの提案を採用したブラックマン氏は、意味のある反応が自己治癒をもたらす上で「驚くべき成功を収める可能性がある」と主張している。
ブラックマン氏は身体の意味のある反応をよりよく理解するために、信念の文化的構成要素に目を向け、「具現化された経験における化学的および文化的治癒実践の相互作用」への新しい洞察を提供する理解に目を向けなければならないと示唆している。
さらに「信念の文化的要素」に重きを置くことで、中世の医療がどのように機能したかに焦点を当てた新しいタイプの議論ができるとブラックマン氏は考え、中世の医学に対するこの新しい文化的アプローチは、科学者に治療法を魔術または医学の2つの独断的なカテゴリーに区別することを強いるものではないとしている。
ブラックマン氏は本質的に、中世の魔術と医学を橋渡しすることによって、主題に対する従来型の二元論的アプローチを打ち砕く新しい質問を投げかけたのである。願わくばこの研究がプラセボ効果のより深い理解に繋がることを思い描いているということだ。
はたしてヨーロッパ中世において、“信念”による意味のある反応によって自己治癒能力を開花させる洗練された方法が確立されていたのだろうか。そしてそれは“魔術”と関係があるのか。今後の研究の進展にも期待したい。
参考:「Ancient Origins」ほか
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