いまも呪物人形が高野山を徘徊している!? 西行が作った「人造人間」とは?

西行は、平安から鎌倉時代にかけて活躍した僧侶・歌人である。源頼朝に弓を教えたともいわれるエリート武将であったが、若くして出家し修行のため高野山に入り、またそこを拠点として各地を巡って歌を詠んだという。
西行には多くの逸話が残されている。先の頼朝に弓を教えたことのほか、出家の際に煩悩を断ち切るため、4歳の愛娘を蹴り倒すといったものまである。その中でも特に強烈なのは、人造人間を作ったというエピソードであり、これは『撰集抄(せんじゅうしょう)』という仏教説話集に収められている。この文献は1200年代に成立し、漂泊の歌人「西行」のイメージを確立したと考えられており、松尾芭蕉も愛読するなど多くの後世の歌人に影響を与えた。江戸時代まで西行の作と信じられていたが、現在では作者不詳となっている。
『撰集抄』によると、西行は高野山で朋友と共に修行していたが、その朋友が山を去ってしまい人恋しい思いをしていた。そこで彼は、かつて聞き覚えのあった秘術を行ない、友の代わりを作ろうと試みたというのだ。それは、「死人の人骨を集める」「藤のツタで骨をつなぎ合わせる」「香木を焚く」といった数々の手順を要する『反魂(はんごん)の術』であり、果たしてその人造人間は出来上がった。
しかし、彼の作り上げた人造人間は色味も悪く、下手な笛を吹くような声だけを出す、明らかな失敗作であった。西行は、その呪術人形とも呼べるものを奥地へもっていき放棄し、それ以来作ることはなかったという。異形の怪物へのトラウマなのか、失敗作を生み出してしまったことへの虚しさや後ろめたさであったのかは定かではない。
もっとも、西行に仮託されて製作されたと言われる『撰集抄』に載るこのエピソード自体が、はなから創作であった可能性は充分にあり得る。しかし、西行は自身の呼んだ歌で、ある種の体外離脱体験や、自分の死ぬ日の予言をしていたのではないかとも言われるほどオカルティックな側面もよく語られることから、あながちすべてが創作とも言えない可能性も秘めている。
本当に西行の作った人造人間が存在していたとするならば、それが高野山をしばらく、あるいは現在でもさまよっているのかもしれない。そもそも、その存在は誰のものとも知れない骨や体に、さらに誰のかもわからない魂を移す術によって生み出されたものである。人造りの秘術は当時でも鬼が得意としていたと伝えられ知られていたという。西行は失恋により出家したというような話もあり、その歌には雑歌の他に恋歌も多かったという。素晴らしい歌を詠んだ彼は裏で、対人への執着や未練を多く持っていた。輝かしい功績の陰に暗鬱な事情を抱えているという、現在での裏設定都市伝説に近しいものがこのエピソードからは感じられる。
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