死者300人以上… 現代も続く宗像大社「山田地蔵の呪い」とは?

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画像は「Getty Images」より

 福岡県宗像市に存在する宗像大社は、海上交通の平安を守護する玄界灘の神を祀った神社であり、日本神話にも登場する最古の神社の一つでもある。上代から当地を支配していた宗像氏が大国主命の神裔(しんえい)として大社の宮司を歴任し、現在は観光地としても栄えており、2017年には世界遺産に登録された。

 宮司を継承していた宗像一族は、平安時代に武士となって蒙古襲来でも活躍して徐々に勢力を伸ばし、戦国時代には大名として君臨することとなる。しかし、この宗像一族は、その後勢力争いに敗れ断絶の道を辿ることとなった。それには、宗像一族にまつわる“呪い”が起因していると言われている。

 1552(天文21)年、宗像正氏(まさうじ)の正室・山田局と宗像氏男(うじお)の正室である娘・菊姫の勢力と陶晴賢(すえはるかた)の姪・照葉(てるは)と息子・鍋寿丸(なべじゅまる、のちの宗像氏貞)の勢力との間で跡目争いによる対立が起こった。陶晴賢は、家臣・石松又兵衛尚季(またべえなおすね)を通じ野中勘解由(かげゆ)と嶺玄藩(みねげんば)に山田局と菊姫の暗殺を命じ、結果、彼女らと4人の侍女が惨殺された。世にいう「山田事件」である。

 この事件は世間を大きく震撼させ、事件以後には不可解な事件が次々と起こったことも相まって、怨霊の噂が囁かれることとなった。暗殺の主犯である野中と嶺がまもなく怪死、石松の屋敷でも数々の怪異に見舞われ、さらには鍋寿丸の妹・色姫が突如として怨霊が憑依し発狂、照葉の喉笛に噛みつき暴れるという出来事も起こった。恐怖した宗像一族は、怨霊を鎮めるために日蓮宗の僧侶へ依頼し封印を図るが、失敗に終わってしまったという。最終的に、暗殺された6人の御霊を合祀し六地蔵として祀ることとなった。宗像一族の呪いを封印するものとして、現在では「山田地蔵尊」と呼ばれている。だが結果として、跡を継いだ氏貞は41歳で病死し、子どももいなかったために最後の当主となってしまった。余談だが、このことにより宗像大社の宮司職は、分家である深田氏に引き継がれることとなる。

 この呪いは、昭和以後もそれによる死者の噂が絶えず、その死者数は戦国時代から今日に至るまで300人を超えるともいわれている。暗殺の指示者や実行犯の子孫は現在でも呪いが続いていると伝えられているほか、現代でも山田地蔵の檀家から宗像大社の氏子に変更した人物が急死するといった事例もあるという。さらに、山田地蔵の史跡解体の際に部材の裏から無数の御札が発見されたという報告もあり、この呪いが”単なる伝説ではない”ことを実感してしまう。

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文=にぅま(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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