四足歩行で動物を真似る奇妙なサブカルチャー「クアドロビクス」精神衛生への影響を懸念する声も…

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 TOCANAでは先日、動物と自認し四つん這いで生活するイギリスの若者「シアリアン」を紹介したが、今度はロシアから驚きの情報が飛び込んできた。人は今、動物になりたがろうとしているのか―――。

 ロシアの上院議員ナタリア・コシヒナは、若者の間で急速に広まっている動物の真似をするサブカルチャー「クアドロビクス」を法的に禁止するよう議会に呼びかけた。国営通信社RIAノーボスチによると、コシヒナ議員は「どのようなサブカルチャーであっても、自分自身や他人にとって安全であるべきだ」と述べ、クアドロビクスが「精神的な傷害や悲劇的な結果をもたらす可能性がある」と警告した。コシヒナ議員が若者の流行に対してコメントするのは今回が初めてではなく、クアドロビクスに対しても有名人や一般大衆の反応は賛否両論だ。

クアドロビクスとは

 クアドロビクスは、猿を真似て四足歩行の世界記録を樹立した日本人短距離走者の「いとうけんいち」が考案したとされる。いとうと同じように、「クアドロバー」と名乗る10代の若者たちは、動物のお面などのコスチュームを身につけ、四肢を使って特定の動物の鳴き声や動きを真似て様々な動物に扮している。クアドロバーは、その活動の運動性を強調することで、他のサブカルチャーとは一線を画している。

議論のきっかけ

 2024年9月初め、ロシアのポップ歌手ミア・ボイカがコンサート中に若いファンがクアドロビクスに参加していることを批判し、これによりクアドロビクスが注目を集めた。ボイカはナディムでのコンサート中、猫のマスクとしっぽをつけた少女マリアナをステージに上げ、「猫ですか、それともクワドロバーですか」と質問。彼女がクアドロバーであると確認した後、観客に「これを支持する人はいるのか」と問いかけたが、観客からはブーイングが起きた。ボイカはその映像をソーシャルメディアに投稿したが、数千の批判コメントを受ける結果となった。

 この事件が広まると、ロシアのポップスターであるイェゴール・クリードがTikTokでマリアナを擁護し、「子ども時代に猫や犬の真似をするのは普通のことで、人々の趣味や選択を批判すべきではない」と述べ、支援の意を表明した。また、ロシア政府と連携するセーフ・インターネット連盟の代表であるエカテリーナ・ミズリナもボイカの行動を批判し、「子どもを犠牲にした自己主張だ」と非難した。ただし自身はクアドロビクスの支持者ではないとも述べている。

 クアドロビクスの反対派は、このサブカルチャーが子どもの精神衛生に悪影響を与える可能性があると指摘している。また、クアドロバーが通行人を噛んだり引っかいたりする事例も報告されており、ミズリナは、クアドロバーによるいじめや攻撃を受けたという手紙が多く届いていると述べている。

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精神科医の意見

 モスクワ州立大学特別研究員の心理療法士ヴェラ・スヒフは、クアドロビクスがスポーツでありサブカルチャーでもあるとし、若者にとって「アイデンティティの探求と社会化の一形態」であると語っている。彼女はこれを「高度な想像力のゲーム」と捉え、非社会的なものとは思わないとも述べた。また、児童心理学者アレクサンドラ・エルミロワも、クアドロビクスを「普通の子どもの遊び」とし、問題が生じることは稀であると指摘している。

 クアドロビクスをめぐる議論は続くが、若者たちが自分たちのアイデンティティを模索する一つの形として、このサブカルチャーはしばらく注目され続けるのかもしれない。

【参考記事】
The Moscow Times

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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

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文=にぅま(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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