夜空に浮かぶ巨大な「赤い輪」を捉えた奇跡の一枚!雷の電磁パルスが生む幻の現象「ELVEs」とは

夜空に浮かぶ巨大な「赤い輪」を捉えた奇跡の一枚!雷の電磁パルスが生む幻の現象「ELVEs」とはの画像1
画像は「Daily Mail Online」より

 イタリアの小さな町の上空に、巨大な赤い光の輪が出現し、科学者たちを困惑させている。このUFOのような謎の光景が目撃されるのは、ここ3年で2度目のことだ。

イタリアの夜空に浮かぶ巨大な「赤い輪」

 イタリア・アルプスの麓にあるポッサーニョという町で、写真家のヴァルター・ビノット氏が驚くべき写真を撮影した。2025年11月17日の夜10時45分頃、夜空に一瞬だけ現れた巨大な赤いリングを捉えることに成功したのだ。

 奇妙なことに、この光の輪はビノット氏が2023年3月に同じ場所で撮影したものと瓜二つだった。今回のリングは直径約200キロメートル、高度約100キロメートルに浮かんでいたと推定されている。

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2023年3月にも同様の光が現れた 画像は「Daily Mail Online」より

エイリアン…ではなく「ELVEs」という稀少現象

 この光景は地球外生命体の仕業のように見えるが、ビノット氏はそう考えていない。これは「ELVEs」と呼ばれる、雷に関連した非常に珍しい発光現象である可能性が高いという。

 ELVEsは、強力な雷放電によって発生した電磁パルス(EMP)が上空の電離層に衝突することで起こる。この衝撃で窒素分子が励起され、赤い光を放つのだ。オーロラと似た原理だが、ELVEsはNASAによって1990年代に発見されたばかりの新しい現象であり、目撃されること自体が極めて稀である。

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各種の超高層雷放電の模式図 Abestrobi投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

「まばたきの100倍速い」一瞬の輝き

 同じ町の上空で2度も観測されたのは偶然か、それとも何か特別な理由があるのだろうか。実は、ELVEsは非常に巨大で高い高度で発生するため、数百キロ離れた場所からでも観測可能だ。今回のリングも、ポッサーニョから南東へ約280キロ離れたアンコナ上空の嵐が引き金となっていた。

 しかし、撮影には高度な技術が必要だ。ELVEsが発光するのはわずか1000分の1秒、まばたきの100倍も速い一瞬の出来事だからだ。ビノット氏は特殊なカメラ機材を使い、長年の経験と準備を重ねてこの瞬間を捉えた。「条件が揃うことは稀で、これまで3回しか撮影に成功していない」と彼は語る。

 この美しい赤い輪は、世界中のどこでも発生しうるが、それを見ることができるのは、空を見上げ続ける忍耐強い観察者だけなのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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