多くの人が「見た」と証言する“巨大翼竜の古写真”とは? “幻のUMA写真”はなぜ消えたのか

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イメージ画像 Created with AI image generation

「確かに見た」「雑誌で読んだ」「テレビに映っていた」——アメリカのオカルト愛好家たちが口を揃えてそう証言する一枚の写真がある。納屋の壁に翼を広げて釘付けにされた巨大な翼竜のような生物と、その前に並ぶ数人の男たち。問題は、この写真の原本が世界中のどこを探しても一切見つからないことだ。

 YouTubeチャンネル「American Strangeness」の調査動画によると、1963年に初めて文献に登場して以来60年以上、研究者たちは今もこの「消えた写真」を追い続けている。

1963年、最初の「目撃証言」

 伝説の舞台はアリゾナ州トゥームストーン。地元紙「トゥームストーン・エピタフ」が1880〜90年代に巨大な翼を持つ生物の記事を掲載したとされており、その生物を収めた写真の存在が長年語り継がれてきた。

 写真への言及が初めて活字になったのは1963年5月号の「サーガ」誌だ。UMAや超常現象の研究で知られる動物学者アイヴァン・T・サンダーソンが自分のファイルにそのような写真があったと主張し、著名なオカルト作家ジョン・キールも同じ写真をサンダーソンの手元で見たと証言した。以来、「雑誌で見た」「テレビに映っていた」という証言が積み上がる一方、対応する出版物もアーカイブ映像も一切確認されていない。

ネットに溢れる「精巧な偽物」たち

 原本が見つからないままデジタル時代に突入すると、「幻の写真」を再現しようとする偽造品が次々と現れた。

 最も広く拡散されたのが、翼を広げた翼竜風の生物の前に開拓時代の男たちが並ぶ画像だ。これはイギリスのデジタルアーティスト、クリストファー・スミスが2010年にFlickrへ投稿した自作品だった。スミスは悪意のある偽造ではなく純粋な趣味の創作として制作したと説明し、翼の構造にわざとフルーツコウモリのものを使ったのも「専門家なら即座に見破れるように」という意図からだったという。ところが画像はネットで「本物の証拠」として独り歩きし、研究者のカール・シュカーが2015年に出所を明らかにするまで多くのサイトで真実のように扱われ続けた。

Since you guys liked the Steven Spielberg hunting photo, here is another dino hunting photo.
by in Hunting

 もう一枚、南北戦争の兵士たちが翼竜らしき生物と並ぶ写真も根強く信じられてきた。こちらは2001年放映のアメリカのSFドラマ「フリーキー・リンクス」のために制作された撮影用プロップだと、懐疑論サイト「スケプトイド」が2018年に明らかにした。番組の公式サイトに掲載されていた画像がドラマの文脈を失い、約20年にわたって「本物の古写真」として語られ続けたことになる。

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画像は「The Ancient Code」より

脳が作り出す「見た記憶」

 なぜこれほど多くの人が存在しない写真を「見た」と確信するのか。研究者のカール・シュカーはひとつの仮説を示している。「巨大な鳥と人間が並ぶ写真」という説明を読んだとき、人間の脳は記憶の引き出しから類似画像を無意識に引き出す。1972年の「ギネスブック」に掲載されたアフリカの大型コウモリとトライブメンの写真、1925年にチベットで撮影されたヒゲハゲワシの画像——こうした既存の類似画像と「写真が存在する」という説明が脳内で融合し、「自分が実際に見た」という偽の記憶が形成されるというのだ。

 結局、原本は見つかっていない。AI画像生成の普及でさらに精巧な偽造品が増え続ける今、仮に本物が現れても出所証明がなければ誰も信じないだろう。何十年にわたって無数の人が「見た」と証言しながら原本が存在しないこの状況は、写真の謎以上に人間の記憶の不確かさを物語っているのかもしれない。

参考:YouTube、ほか

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