現代科学でも再現できない「失われた古代技術」5選! 死体を石化させる技術やアンティキティラ島の機械の謎

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 人類の技術は積み重ねで進歩してきた——はずなのだが、世の中には「一度生み出されたきり、製法ごと歴史の闇に消えた発明」がいくつも存在する。

 よく例に挙がるダマスカス鋼は、実は当てはまらない。製法こそ途絶えたが、現代の職人や科学者がほぼ同等のものを再現できているからだ。本当に厄介なのは、現代科学でもいまだ再現できていない発明だ。今回はそんな5つを紹介しよう。

死体を「石」に変えた男——セガートの石化術

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ジローラモ・セガート Public Domain, Link

 最初に紹介するのは、なんとも背筋が寒くなる技術だ。

 イタリアの解剖学者ジローラモ・セガートは、1818年に初めてエジプトを訪れ、古代エジプトのミイラ作りに着想を得た独自の保存技術を編み出した。

 ただし手法はミイラとは決定的に違った。遺体を「乾燥」させるのではなく「石化」させ、元の形や色を残したまま鉱物に変えてしまったのだ。

 彼のもとを訪れたアメリカ人外科医ヴァレンタイン・モットは、その仕上がりに度肝を抜かれたという。石化した遺体は石のように硬く、薄板状に切り出して美しく磨き上げられたと書き残している。

 ところがセガートはこの秘密を頑なに明かさず、自宅に何度も泥棒が入ったことをきっかけに研究ノートをすべて焼き捨ててしまう。

 1836年に彼が世を去ると、石化技術もろとも知識は墓へ消えた。フィレンツェの聖十字架聖堂にある墓碑にはこう刻まれている——「ここに眠るジローラモ・セガート、その身は石の如く硬し。彼の技がともに滅びさえしなければ」。

水でも消えない「ギリシアの火」とローマの不死コンクリート

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ギリシア火を用いるビザンツ海軍 出典:Wikimedia Commons(パブリック・ドメイン)

 ファンタジー作品『ゲーム・オブ・スローンズ』には、緑色に燃え、水でも消えない兵器「ワイルドファイア」が登場する。荒唐無稽に思えるが、これによく似た兵器が現実に存在した。

ギリシアの火」だ。672年、ヘリオポリスのカリニコスが発明したとされる焼夷兵器で、水をかけても消えないという特性は物語さながらだった。

 東ローマ(ビザンツ)帝国はこれを国家機密として守り、13世紀まで戦争、とりわけ海戦で猛威を振るった。壺で投げたり筒から噴射したりして敵を焼き払ったという。正確な配合は今も不明だが、ベースは石油で、歴史家ジョン・ハルドンは可燃性の高いナフサや松脂が加えられていた可能性を指摘している。

 もう一つ現代人を悔しがらせるのが「古代ローマのコンクリート」だ。私たちが今使うコンクリートは、2000年前のローマ製より劣る面があるというのだから恐れ入る。現代のものが時とともに劣化するのに対し、ローマン・コンクリートは海水にさらされるほど強くなる。科学者たちは現存する建造物から製法の解明を試みているが、完全な再現には至っていない。

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パンテオンはローマン・コンクリートを使用した一例 Jean-Christophe BENOIST, CC 表示 2.5, リンクによる

132年の地震計と「世界最古のコンピューター」

 東洋にも、現代科学を唸らせる発明がある。中国の科学者・張衡(ちょうこう)が132年に作り上げた「地動儀」だ。8つの竜の頭を備えた壺型の装置で、なんと約640キロも離れた地震を感知できたと伝えられている。

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地動儀の模型 en:user: Kowlooneseen:File:EastHanSeismograph.JPG, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

 知られている限り世界最古の地震感知装置だが、内部の機構は失われた。振り子のような仕組みが推測されているものの、現代の復元品は記録に残るほどの精度を再現できずにいる。

 そして最後が、オカルトファンにはお馴染みの「アンティキティラ島の機械」である。紀元前205年頃に作られたとみられる古代ギリシャの装置で、しばしば「世界最古のアナログコンピューター」と呼ばれる。

 天体の運行を計算したとされるその精巧さは古代の技術水準からすると明らかに異質で、同等の技術が再び現れるまでには千年以上を要した。1901年に沈没船から引き揚げられたものの、その価値に気づかれるまで長らく放置されていた、いわく付きの逸品だ。

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アンティキティラ島の機械 出典:Wikimedia Commons(CC BY 2.5)

 これら5つに共通するのは、「秘密にされた」か「記録が残らなかった」という一点だ。たった一人の沈黙や一冊のノートが燃えるだけで、人類はあっけなく知恵を失う。私たちが当たり前に享受する今日の技術もまた、案外もろい砂上の楼閣なのかもしれない。

参考:Mental Floss、ほか

TOCANA編集部

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