「宗教はアヘン」は本当だった!? 祈りや賛美歌が脳内に“ヘロインと同じ快楽物質”を分泌させるメカニズム

宗教は大衆のアヘンである――。共産主義思想の生みの親、カール・マルクスの言葉だが、化学的な観点からも宗教儀式はドラッグと同じ効果をもたらすことが新たな研究で報告されている。
■やはり「宗教はアヘン」だった!
教会をはじめとする宗教施設では定期的に信者を集めて儀式や祈祷、合唱などの集団的アクティビティが行われている。多くの信者はこのアクティビティに進んで参加し充実感を得ているように見える。
このような宗教儀式は世界中で行われているが、専門家たちはその理由を解明しつつあるのかもしれない。
キングス・カレッジ・ロンドンとオックスフォード大学の研究チームが今年6月に「Proceedings of the Royal Society B」で発表した研究では、宗教儀式の参加者の脳内でオピオイドが放出されている可能性があることを報告している。
オピオイドは鎮痛効果、報酬感、快感といった感情と関連づけられており、ヘロイン、モルヒネ、処方鎮痛剤などの薬物を摂取した際にも放出され、いわゆる“ハイ”な状態になる。
研究者らは今回の研究結果は、宗教儀式が大勢の人々が絆を深める手段として進化してきたという説を裏付けるものだと説明する。
これらの儀式には、皆で歌ったり、集団で身体を動かしたりする要素が含まれることが多く、それによって一体感が高まる。
「これらの発見は、日常的な宗教儀式が、大規模な会衆内の結束を維持するのに役立つオピオイドや絆を誘発するプロセスを積極的に引き起こすという考えと一致している」(研究論文より)
研究チームはイギリスとブラジルの24の宗教団体に所属する成人265人を対象に調査を行った。
イギリス人参加者は全員キリスト教徒だったが、ローマ・カトリック、メソジスト、イングランド国教会、バプテスト、そして自らを「福音派」と称する人々など、さまざまな宗派に属していた。
儀式の内容は地域によって多少異なるものの、イギリスの教会で行われる儀式には、祈りの時間、座ったり立ったりしながらの合唱、指導者(司祭や牧師など)が演台や説教壇から話をする時間、黙祷の時間、そして信徒同士が交流する時間などが含まれていた。
参加者は礼拝や儀式の前後に参加したほかのメンバーとどの程度つながりを感じたかを尋ねられた。加えて彼らの痛みの閾値も測定された。
分析の結果、宗教儀式に参加した後に人々は地域社会のほかのメンバーとの信頼感、親密さ、そして繋がりをより強く感じたと報告していることが明らかになった。彼らはまたより多くの肯定的な感情を経験し、否定的な感情は減少していた。
そして平均すると、参加者は儀式の後の方が儀式の前よりも痛みに耐えられるようになった。これは脳内でオピオイドを放出するシステムが活性化したことを示唆している。

参加者が感じた強い絆の感情は、ポジティブな感情によってもたらされたもので「神とのつながり、そして重要なことに、痛みの閾値の上昇が見られました。これは、痛みの緩和、報酬、快感に関わる脳内化学物質であるμ-オピオイドの活性化の指標となります」と研究者らは述べている。
「今回の研究結果は、儀式が社会的な絆を築くためのメカニズムとして進化し、かつては一対一の接触を必要としたような絆を、大人数の集団が築くことを可能にしたという理論を裏付けています」(研究論文より)
科学者たちは今回の研究が「社会的愛着の脳内オピオイド理論」を裏付けるものだと主張している。この理論は愛する人との交流が、温かさ、安心感、そして深い感情的なつながりといった感覚を引き起こす穏やかで自然なオピオイドの高揚感に起因することを示唆している。誤解を恐れずに言えば文字通り「宗教はアヘン」であったことにもなる。
宗教における集団祈祷や読経、あるいは野球やサッカーのサポーターによる集団的応援など、集団で特定のフレーズを繰り返す合唱はチャント(Chant)、日本語では詠唱(えいしょう)などと呼ばれている。そしてこの詠唱によって人々は薬物を用いることなく意識を変容させ、その場を共にする人々との一体感を強めていることがこれまでの研究でも示されている。
作曲家のラインハルト・フレッシャー氏が1970年代に開発した詠唱法「TaKeTiNa(タケティナ)」は、特定の宗教的背景を持たずに集団詠唱を通じて意識状態を変化させることを目的としており、音楽教育、演奏、セラピー、そして自己啓発など、幅広く活用されている。興味を持たれた向きは特定の宗教に入信することなく、詠唱による意識変容を体験してみてもよいのだろう。
参考:「Daily Mail」ほか
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2024.10.02 20:00心霊「宗教はアヘン」は本当だった!? 祈りや賛美歌が脳内に“ヘロインと同じ快楽物質”を分泌させるメカニズムのページです。儀式、脳、合唱、ドラッグ、宗教、意識信仰などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで



