なぜ人類はまだ宇宙人に出会えないのか —— 科学者が指摘する『ゾッとする理由』

映画『E.T.』でも『エイリアン』でも、人類はいとも簡単に地球外生命体と出くわす。だが現実の地球人が、宇宙のどこかにいるはずの知的生命体と接触した例は、いまだ一件も確認されていない。
宇宙は約138億年もの歴史を持ち、数え切れないほどの星が瞬いている。それなのに、なぜ空はこれほど静まり返っているのか——。この不気味な沈黙をめぐり、科学者たちは「背筋の凍る仮説」を提示している。しかもそれは、宇宙人が「存在しないから」ではないというのだ。
フェルミが投げかけた「みんな、どこにいるんだ?」
この問いを最初に鋭く突きつけたのは、20世紀を代表する物理学者エンリコ・フェルミだった。1950年頃、彼はごく単純な論理から出発してこう考えたとされる。
私たち人類に、宇宙的に見て特別な点は何もない。だとすれば、あらゆる銀河には無数の生命が生まれ、知的文明が発展しているはずだ。しかも宇宙には約138億年という途方もない時間があり、生命が誕生し、文明が高度な技術を手にし、銀河全体に進出するには十分すぎるほどの猶予があった。
仮にそうした文明の寿命がわずか100万年程度で尽きるとしても、その技術の痕跡や遺構は宇宙のいたるところに散らばっていて当然だ。ところが、私たちは誰の姿も見つけられていない。この矛盾こそが、後に「フェルミのパラドックス」と呼ばれる難問である。
宇宙人は「重力波」で会話しているのかもしれない
沈黙の理由として、まず指摘されるのが「通信手段のすれ違い」だ。
人類自身、通信の主役はすでに電波から光ファイバーや海底ケーブルへと移りつつあり、宇宙へ漏れ出す電波はむしろ減りはじめている。私たちより数百万年、あるいは数十億年も進んだ文明が相手なら、その通信方法はSFでしか想像できないほど異質なものになっているだろう。
2024年に学術誌『The Open Journal of Astrophysics』で発表された研究は、さらに踏み込んだ可能性を論じている。高度な宇宙人は、時空のさざ波である「重力波」を使って互いに交信しているかもしれない、というのだ。
問題は、重力波という現象を物理学者自身がまだ完全には理解できていない点にある。狭い帯域に収まる電波とは違い、現在の科学では自然に発生した重力波と、人工的に作られた重力波を区別する手立てがない。
仮にその技術を解読できたとしても、傍受したメッセージの意味まで読み解けるかどうかは誰にもわからない。もっとも、たとえ解読不能な信号であっても、そこから何かを学べる可能性は残されているという。

文明は「時間」の中で永遠にすれ違っている
もう一つ、より根の深い理由として挙げられるのが「時間のずれ」だ。
2021年に査読付き学術誌『Galaxies』で発表された研究では、銀河のシミュレーションモデルを用いて、文明がいつ生まれ、いつ滅びるのかが検討された。
そこから浮かび上がるのは、二つの文明が出会うためには、広大な宇宙の中で「場所」だけでなく「時間」までも重ならなければならない、という厳しい条件である。
宇宙の時間スケールで見れば、ある文明は私たちが生まれるはるか昔に栄えて滅び去り、別の文明はまだ知的生命へと進化する途上にあるのかもしれない。夜の海で二隻の船がすれ違うように、宇宙の文明どうしもまた、互いの存在に気づかぬまま時間の彼方へと消えていく——そんな可能性が指摘されているのだ。
私たちが空に耳を澄ませているまさにその瞬間に、相手が「まだいない」か「もういない」のだとしたら。宇宙の沈黙は、孤独よりもむしろ、途方もないタイミングの悪さの産物なのかもしれない。
宇宙が静まり返っていることは、そこに誰もいない証拠にはならない。彼らの信号は今この瞬間も、解読されないまま地球を素通りしているのかもしれない。
「みんな、どこにいるんだ?」というフェルミの問いに宇宙が答えを返すその日まで——人類はこの不気味な沈黙と向き合い続けることになるのだろうか。
参考:Popular Mechanics、ほか
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2024.10.02 20:00心霊なぜ人類はまだ宇宙人に出会えないのか —— 科学者が指摘する『ゾッとする理由』のページです。宇宙人、地球外知的生命体、フェルミのパラドックスなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで


