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 現代物理学の父・アインシュタインの間違いが先ごろ証明された――。証明の根拠となったのは、なんと10万人が参加したオンラインゲームだったのだ。


■ベルの不等式は成立するのか?

 光速よりも早い速度で情報が伝達する「量子テレポーテーション」や、人間が観測して初めて箱の中の猫の生死が“決定”する「シュレーディンガーの猫」など、量子論の分野は不可解な謎に満ちた世界だ。

 現代物理学の父・アインシュタインはこうした量子論の不可解な事例を「不気味な遠隔作用(spooky action at a distance)」と呼んで、量子力学の解釈(ここではコペンハーゲン解釈)は間違っていることを主張したといわれている。そして物理法則のひとつの原則として局所実在性(local realism)を提唱した。局所実在性とは簡単に言えば、ここにある物体はありのままの真の姿であり、“観測”の影響を受けることはないという解釈だ。普通に考えれば至極当然の理解だろう。

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 画像は「Wikimedia Commons」より

 しかし前述したように量子論はアインシュタインの基本的な考え方を否定するものにならざるを得ない。

 そこでイギリス人物理学者のジョン・ベルは、量子論の世界を説明するために「ベルの不等式」を導き出した。もしベルの不等式が成り立てばアインシュタインに分があり、ベルの不等式が成り立たたないようなことがあれば量子論に軍配が上がるのである。

 1960年代以降、このベルの不等式を実験的に検証する試みが多くなされ、これらの実験は“ベルテスト”と呼ばれた。そしてどうやら、このベルの不等式は成り立たなさそうなことが次第に明らかになってきたのだ。

 だがそれでもベルテストには拭い去れない疑惑が残る。それは実験に際して実行者がどんなに周到にランダムな状況を“整えた”にせよ、そのランダムさは証明できないという点にある。そこに“隠れた変数”があり、実験の設定が何らかの形で実験結果に影響を及ぼしているのではないかという疑惑だ。これはベルテストが抱える「選択の自由のループホール(freedom-of-choice loophole)」と呼ばれている。

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Live Science」の記事より

 つまり真の意味での“乱数”が用意できなければ、どんなベルテストにも疑惑は残されたままになるということだ。

 そこでスペインの研究機関・ICFO(Institute of Photonic Sciences)の研究チームは大規模なオンラインゲームで収集したデータをベルテストに応用することを思いついたのだ。

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