アップル、グーグル…欧米大企業の研修に“瞑想”!? パワーエリートの間で常識化する「マインドフルネス」
■ボディスキャニング
ヴィパッサナー瞑想は、自分の体が感じ取ることをそのまま受け止めるように訓練する。呼吸を意識することから始まり、食べることや歩くことで体の中がどのように変化していくのかを観察する(ボディスキャンという)。そうした訓練を続けることで、自分を完全に客観視し、現在だけを素直に受け入れることが可能になるのだという。その結果、過去に影響されるうつ病や慢性疼痛、未来に怯える不安症の症状は大幅に軽減する。
現実が見えなくなり、自分で作り出した苦しみに自分ではまり込む。それが人間だ。現実をそのままに見ることで、そうした苦しみから人間を楽にする、それがマインドフルネス瞑想の目的なのだ。
MRIを始めとする脳の検査に有効な装置が飛躍的に進歩したことで、瞑想の科学的メカニズムが解き明かされ始めている。
2005年にサラ・レーザーらが発表した論文『Meditation experience is associated with increased cortical thickness』によると、瞑想の達人20人の脳をMRIで撮影したところ、前頭前野の背内側前頭前野と島の2カ所の組織が厚くなっていたという。いわゆる第三の目と呼ばれる、額の中央の裏あたりだ。
背内側前頭前野は客観性を生み出す部位だ。島は身体感覚を最後に統合する部位であり、体の情報は脳の各部位で処理され、その情報が島で統合される。島は扁桃体につながり、情動を生み出す。
経験は物理的に脳を分厚く成長させ、機能を強化させるのだ。そしてマインドフルネスは、身体感覚を客観的にとらえ、情動と身体性を一体化させるように脳の形を変えてしまうのである。
権力や金銭を持つ、いわば欲の塊のような人間たちの間にマインドフルネス瞑想が広がることで、世界の在り方が多少とも良く変わるのであれば、どんどん瞑想していただきたいと思う。観察する主体としてのみ自らが存在する、それがヴィパッサナー瞑想の極致であり、目指すのはすべての欲を捨て去った丸裸の人間の姿だからだ。
(文=川口友万)
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