YMOとUFOの知られざる関係をサエキけんぞうと笹公人が全語り！日本カルチャー界の“ 歴史的超能力汚染”がヤバ過ぎる！

2018.07.03 16:00 文＝ラリー遠田

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笹：なるほど。

サエキ：ユリが来たことによって、そこにいた当時の先端の人たちも超能力に示したかも知れないですよね（笑）

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笹：ミッキー・カーチスさんは「脳にチップが入っている」と言っていることでオカルト界では有名なんです。脳にチップが入っているスターということで、僕は「チップスター」って呼んでいます（笑）。だから、ミッキーさんが出ていた『やすらぎの郷』でもUFOを呼ぶシーンが出てくるんじゃないかなとずっと楽しみにしてたんですよ。続編でそういうシーンがあるとにらんでいます。

サエキ：音楽的に解析すると、UFO派の人たちの作るものってやっぱり、言葉にできない得も言われぬ良さ、心地よさがある。50年代にロカビリー・スターだったミッキーさんが、60年代末に結成してヨーロッパ・ツアーもしたザ・サムライも、日本のロックの祖先というにはブットビすぎてるエキゾティック・ロック。是非、再評価されてほしい。とても不思議な音楽です。エキゾチックという意味では細野さんとも通じるというか、その道の先輩ですね。UFOの魅力というのは、狭義の観光を超えたハイパー・エキゾティシズムといえるのかもしれませんね。

笹：YMOに関しては、結成直前にまさに「イエロー・マジック」だな、って思うことがあって。教授（坂本龍一）と細野さんがたまたま同じときに全く同じメロディの曲を作っていたことがあるんですよね。

サエキ：ああ、有名な話しです。坂本龍一さんの『THE END OF ASIA』（『千のナイフ』収録）と細野さんの『ウォーリービーズ』（『はらいそ』収録）が偶然に同じメロディーができてしまった事件ですね。これは脚色なしに本当にそういうことが起こったとみんなが証言している。事実だと思って間違いない話です。

　細野さんに関しては1978年の『COCHIN MOON（コチンの月）』っていうアルバムが重要です。これは、横尾忠則さんと細野さんがインドに旅をして作ったアルバムなんです。細野さんは旅行中にずっと下痢をしてたという。YMOとかその周辺の人たちがものすごく忙しくなってザワザワしていた時期に、1カ月間インドに行ってしまったということ自体がすごい。その時の証言ってあるんでしたっけ? インドでUFOを見たとか見てないとか。

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COCHIN MOON (コチンの月)/キングレコード

笹：有名な話では、細野さんと横尾さんが重症の下痢で死にかけているときに、マドラスの日本総領事館の総領事の自宅で、総領事夫人がおかゆを作ってくれて、そのおかゆのおかげで下痢が治って命が助かったというのがあります。また、そのとき、総領事夫人が「お金の精を見たことがある」という話をしたそうです。横尾さんと細野さんは、その形状などから、お金の精は小型UFOだと直観して、その話を詳しく聞こうと思ったら、それ以降、夫人はその部屋に一切来なくなった。それはこちらの貧弱な心を見抜かれたからだろう、っていう話が横尾さんのエッセイ（『地球の果てまでつれてって』横尾忠則・著（文春文庫））に出てきてます。その体験から『COCHIN MOON』収録の「マドラス総領事夫人」という曲が作られているんです。

●笹公人
現代歌人協会理事、大正大学客員准教授、文化学院講師、NHK学園講師、日本文藝家協会会員。2004年に未来年間賞を受賞。『念力家族』（インフォバーン）、『念力図鑑』（幻冬舎）、『抒情の奇妙な冒険』（早川書房）、『笹公人の念力短歌トレーニング』（扶桑社）他多数出版。2015年より、NHKEテレにて連続ドラマ「念力家族」が放送。テクノポップユニット「宇宙ヤング」で音楽活動も行っている。

●サエキけんぞう
幅広い活動を行なうマルチ・ミュージシャン。ハメルンズの活動を経て、80年代初頭に窪田晴男らとパール兄弟を結成、ソロでも精力的に活動を展開。特異なキャラクターと豊富な音楽知識で80年代の邦楽シーンにおいて異彩を放った。作詞家として、モーニング娘。の「愛の種」ほか、多数の作詞を手がけているほか、音楽評論、エッセイスト、プロデューサーとしても幅広く活躍、立教大学、獨協大学などで講師もつとめる。『歯科医のロック』『ヌードなオニオン』（河出書房新社）、『ロックとメディア社会』（新泉社）、『ロックの闘い 1965?1985』（シンコーミュージック）他多数出版。