失恋で胸が苦しくなっている時の心臓の形は「タコ壷」だった!? 医学界に旋風を巻き起こした日本人医師の発見!
【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】
■失恋の病名
失恋すると胸が苦しくなることがありますが、これは歴とした病気で病名もついています。英語では失恋のショックで死ぬ病気に対して「失恋症候群」と訳される「ブロークン・ハート・シンドローム(broken heart syndrome)」という名前がありました。失恋するとハートが砕ける漫画表現の元ネタです。
日本語の正式名称は「たこつぼ心筋症」で、英語では「Takotsubo cardiomyopathy」となり、外国でも正式名称として通用します。
最近は世界的に認知されるようになってきて、英語名で画像検索してみると分かりますが、外国語で日本の蛸壺の絵や写真入りでTakotsuboが何なのか説明しています。
たこつぼ心筋症を命名したのはもちろん日本人、それもかなり最近の1991年です。
元々は失恋した患者を対象としていた訳ではありません。心臓の血管などに特に異常がなく、心因性・身体性ストレスが原因の心疾患の場合、血栓なんて無いから血栓を溶かす薬も効かないし、普通の治療法だと上手く行きません。このようなストレスが原因の急性心筋梗塞に対応するため、日本の佐藤光医師が新しい病名を付けたのが始まりです。たこつぼ心筋症だと適切に診断さえできれば患者を救えることから、急速に世界的に広まっていきました。
その後、海外でたこつぼ心筋症の診断が増えるにつれて、ストレスの原因に「失恋」「愛する人の死」「結婚の破綻」など恋愛がらみが27%前後もあることが統計データとして上がってきました。
このため、海外ではブロークン・ハート・シンドロームの新しい診断名として、たこつぼ心筋症が使われています。実際に「broken heart syndrome」で検索すると蛸壺が混ざってくるようになりました。
病名が変わったのは、ブロークン・ハート・シンドロームの良い治療ガイドラインは無いけれど、たこつぼ心筋症の治療ガイドラインならば佐藤光先生が作った良い物があるので、たこつぼ心筋症と診断された患者は助かる確率が高いからです。
こうして「たこつぼ心筋症」は、「失恋で胸が苦しくなる病気」として海外での認知度が急速に上がっていきました。
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2024.10.02 20:00心霊失恋で胸が苦しくなっている時の心臓の形は「タコ壷」だった!? 医学界に旋風を巻き起こした日本人医師の発見!のページです。失恋、心臓、たこつぼ心筋症、失恋症候群、たこつぼ症候群などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで