「死者の声」を聞くことができる透聴能力者の実態! 霊界との聴覚的コミュニケーションと平均年齢…科学的調査で判明
いわゆる“スピリチュアル”に傾倒する人は少なくないが、ある種の人々にとっては、それは心惹かれるようなものではなく、人生の始まりからの“事実”であることが最新の研究で報告されている。その人々とは“死者の声”を聞くことができる透聴能力者の人々だ。
■霊界との聴覚的コミュニケーションは日常生活の一部
イギリスでは昨今、スピリチュアリズムへの関心が高まっており、スピリチュアリストの国内組織は現在、少なく見積もっても1万1000人以上のメンバーを擁しているという。
英・ダラム大学の研究チームはスピリチュアリストの中でも死者の声を聞くことができる透聴能力者(clairaudient)に着目し、彼らのスピリチュアル体験と信仰を調査、分析している。
ちなみに霊能者は透聴能力者のほかにも透視や千里眼の能力を持つ透視能力者(clairvoyant)、霊的現象をきわめて敏感に感じ取る超感覚者(clairsentient)がいるが、今回の研究は医学研究支援団体のウェルカム・トラストが資金提供している音声聴覚の学際的研究である「Hearing the Voice」の一部をなしていることから、透聴能力者に絞り込んだ研究になっている。
研究チームが2021年1月に「Mental Health, Religion & Culture」で発表した研究では、国内のスピリチュアリストの組織から65人の透聴能力者と、コントロールグループとして一般人143人に対して調査を行っている。透聴能力者がどのように“死者の声”を聞いているのか、そして霊的体験のレベル、幻覚傾向、アイデンティティー、および超常現象への信仰を一般人と比較した。
収集したデータを分析した結果、透聴能力者はスピリチュアルな精神活動に没頭している時間が長い傾向であることが明らかになった。つまり生活の中で一定の時間、我を忘れて“死者の声”を聞くことに没頭していることが多々あるのだ。そしてこうした“習慣”は若い頃から始まったケースが多かったのである。
調査に参加した透聴能力者の参加者の44.6%が、故人の声を毎日聞いていると報告し、33.8%が調査日前日も霊界の“死者の声”を聞く透聴体験をしていると申告している。
透聴能力者の大多数(79%)は、霊界との聴覚的コミュニケーションは日常生活の一部であり、一人でいる時や、霊媒者としての務めを果たしている時、スピリチュアリストの教会に通っている時などでも起こっていると述べている。
“死者の声”がどのように聞こえるのかについては、65.1%はテレパシーのように主に頭の中で聞こえると回答しており、31.7%は身体の内部からも外界からも両方から聞こえると答えている。
このように透聴能力者にとってスピリチュアル体験は「信じる、信じない」の問題ではなく、日々の生活の中での“事実”なのである。
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