東大生が本物と認めた“未来が視える”石川県の霊能者
東大生が本物と認めた“未来が見える”石川県の霊能者! 白い蛇が現れ…
東大生出身者が体験した恐怖の怪談46編を収録!!!!
3月発売の新刊『東大怪談 東大生が体験した本当に怖い話』より抜粋

「精霊に愛された女」
wohheungさん(1989年文科Ⅲ類入学)
第一話「ほんまんばあ」
はい。とても怖いエピソード、不思議なエピソードなどいくつかあるんです。
私が高校二年生の時です。私は石川県のはずれの小さな町に住んでいました。金沢みたいな都会とは比べ物にならないくらいのド田舎です。だって、町に信号機が三つしかなか
ったんですよ(笑)
近くに安宅(あたか)と呼ばれる、歌舞伎の「勧進帳」の舞台にもなった町があるんです。ええ、弁慶と義経の。これは、そこに住むある老婆にまつわる話です。
「最近、あたかん所に〝ほんまんばあ〟っていうのおるみたいで」
ある日、母が噂を聞きつけてきました。安宅に〝ほんまんばあ(本間の婆)〟と呼ばれる不思議なお婆さんがいると。
「寝とる時に、夢の中に、しろーい蛇が2ひきほど、うやうやうやってなったさけ、そのあと、何でも視えるようになったんやけ。タダで解決しちゃるって」
夢枕に白蛇が二匹現れて以来、未来が視えるようになった。その能力を使って他人の相談に無料で乗っている、ということでした。
実際、母の友人が体中にデキモノができたことがあって、皮膚科に行って軟膏をもらっても、飲み薬をもらっても一向に治らなくて困っていたことがあったんです。その人は〝ほんまんばあ〟の話を聞いて藁にも縋る気持ちで相談に行ったそうです。
〝ほんまんばあ〟の宣託はこうでした。
「あんたんとこの柱のところにひとつ、釘が打ってあるわ。それ抜いたらいいわ」
母の友人は、半信半疑で家じゅうの柱を調べたそうです。そしたら、大黒柱のかなり高い場所に一本だけ小さな釘が刺さっていたのが見つかったんですって。慌ててそれを抜いたところ、翌日にはケロッとデキモノが治ったんだそうです。
もちろん母と私はそれだけで〝ほんまんばあ〟を信用しませんでしたよ。「どうせ、たまたまでしょ」って。
しかし、今度は近所の知り合いの旦那さんが失踪するという事件が起きたんです。何週間にもわたって、どこをどう探しても見つからなくて、近所では大騒ぎになったんです。
困り果てた奥さんは、〝ほんまんばあ〟を訪れました。〝ほんまんばあ〟は少し考えた後、こう言ったそうです。
「あんたんちの、溝んところに、詰まっとるとこあるし。そこを掃除しまし」
「ややや、わたし。いつも掃除しとるし、そんな詰まっとる所なんてないわ」
と、その奥さんは楯突いたらしいのですが「絶対詰まっている」と〝ほんまんばあ〟は譲らなかったそうです。
納得はいかなかったけど、家に帰って家の周りをくまなく調べると、たしかに側溝の一角に枯れ葉が大量に詰まっている場所がありました。大黒柱の釘と一緒で、なかなか目の届かない死角だったそうです。
「あった!!」
と喜んでそこを掃除したら、なんとその日のうちに旦那さんが戻ってきた。近所中がまた大騒ぎです。でも、気味が悪いことに、旦那さんはその間の記憶が全くなかったんですって。
二度も言い当てたとなると本物です。私はそんな面白い人がいるなら会ってみたいと母に直訴しました。母も好奇心を煽られたみたいで、すぐに予約を取ってくれました。
横溝正史の映画に出てくるような屋敷を想像していったんですが、それは質素で小さな一軒家でした。待つようにと通されたのは、和室にカーペットが敷いてある、よくある昭和の応接間でした。
〝ほんまんばあ〟が入ってきました。「ふっくらして恰幅のよい和服のお婆さん」を想像していたので意外でした。細身でショートヘア。〝婆〟から連想されるイタコみたいなイメージとは程遠く、50過ぎの普通の主婦という感じの方でした。
私は、「実は東大を受験しようと思っているんですけど、受かりますか?」とストレートな質問をしたんです。
〝ほんまんばあ〟は、しばらく目をつぶって瞑想したあと、こう言いました。
「あんたは大学に入ると苦労するね」
何を言ってるんだ? と一瞬戸惑いました。質問に対する答えじゃない気がしたからです。でもよく考えると「大学に入ること」が前提になっている。「あ、もしかして私は受かるんじゃない⁈」と内心大喜びしました。
〝ほんまんばあ〟は、いきなり関係のない話を始めました。
「来年になったら、日本は変わりますよ」
なんのことだかさっぱりわかりません。彼女に尋ねても、それ以上詳しいことは教えてくれませんでした。母と「あれはなんだったの?」と首をひねりながら家に帰ったのを覚えています。
翌年、天皇が崩御されました。歴史上一番長い年号の「昭和」が終わり、年明け早々「平成」に変わりました。一つの時代が終わり、慌ただしくも新しい時代に突入したのです。母とわたしは「〝ほんまんばあ〟が言っていたのはこれのことだったのか」と、妙に納得がいったのでした。
私は無事に東大に合格しました。しかし、田舎者ゆえに東京の大学のノリについていけず、確かに苦労しました。彼女の予言は当たったと言えば当たったのです(笑)
あれから三十年が経ちました。〝ほんまんばあ〟はその後次第に「視えなくなった」そうです。現在、どこに住んでいるのか、生きているのかどうかも、私は知りません。
名前:wohheung
1989年 文科Ⅲ類入学 1993年 文学部社会学科卒業
職業:専業主婦
本記事は3月発売の新刊『東大怪談 東大生が体験した本当に怖い話』より抜粋しました
【本の内容】

日本の最高頭脳である東京大学出身者11人が体験した怖い話。怪談を中心に、ヒトコワ、精神疾患、都市伝説、パラレルワールド、UFO、宇宙人など様々なジャンルのオカルト体験をまとめています。偏差値75の論理的思考をもつ東大生の頭脳でも説明がつかない怪異とはなんなのか?
あらゆる現実的な可能性を排除した上で残る“本当に説明不可能”な現象は存在するのか?
果たしてこの世に幽霊は存在するのか?
映画『三島由紀夫vs東大全共闘 ~50年目の真実~』、ドラマ「怪談新耳袋シリーズ」の監督であり、自身も東大出身の豊島圭介が怪異の本質に迫ります。各エピソードに、東大ポイントや東大アンケートも盛り込むことで話者の人間性や視点にも触れ、どのような角度から語られた怪奇現象だったのか、読者とともに考察できる作りになっています。
【目次】
・東大病院で怪異に遭遇した男
・牛人間に呪われた男
・汚部屋育ちの東大生
・オカルト新聞記者
・精霊に愛された女
・東大中退の男
・救世主になった男
・時空の隙間に落ちた男
・細胞生物に乗っ取られたコンサル
・パラレルワールドに行った官僚
・トラウマプロデューサー
・おわりに
【著者】豊島圭介
映画監督。東京大学教養学部表象文化論専攻卒業。『怪談新耳袋』(2003年)で監督デビューし、アイドル、ホラー、恋愛もの、コメディとジャンルを横断した映画・ドラマに携わる。2020年公開の『三島由紀夫vs東大全共闘 ~50年目の真実~』で初のドキュメンタリーの監督を務める。代表作に、映画『ソフトボーイ』『花宵道中』『森山中教習所』、『ヒーローマニア -生活-』『妖怪シェアハウス ~恋しちゃったん怪~』(2022)など。ドラマ「怪奇大家族」、「マジすか学園」シリーズ、「CLAMPドラマ ホリック xxxHolic」、「Is” アイズ」、「イタイケに恋して」など。近作にドラマ「書けないッ!? ~吉丸圭佑の筋書きのない生活~」(2020)、「妖怪シェアハウス」シリーズ(2020ー2022)等がある。
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