2100年のリモートワーカーの姿に戦慄… 猫背、かぎ爪、うつ状態に
コロナ禍で広まったリモートワークは出勤という労力を省けることで一部からは歓迎され、コロナ禍が明けても在宅で仕事を続けている人々も少なくないようだ。スケジュール設定次第では1日をきわめて効率的に過ごすことができるリモートワークだが、しかしそこには大きな落とし穴があったのだ――。
2100年のリモートワーカーの姿
在宅勤務はかつては珍しいことであったが、コロナ禍を通じて世界で何百万人もの勤労者にとって当たり前の働き方とになった。
事実上のコロナ禍明けとなった今でも、リモートワークを続ける職場も少なくないが、ずっと自宅に閉じこもって仕事を続けているとどうしても健康やメンタルへの影響が気になってくる。
オフィス什器販売大手の「Furniture At Work」は、2100年までリモートワークを続けた在宅勤務者がどのようなビジュアルになるのかを先日発表し、多くのデスクワーカーにショックを与えているようだ。
“アンナ”と名付けられたモデルは、在宅勤務の影響で猫背になり、目は黒く腫れ、かぎ爪のような手をしている。
「アンナは、テクノロジーの継続的な使用、画面への露出、姿勢の悪さなどにより、多くの身体的影響を示しており、潜在的なメンタルヘルス問題も浮き彫りになっている」と同社は説明している。
英リーズ大学の調査ではイギリスの在宅勤務者の3分の1が自宅に専用のワークスペースを持たないことが報告されていることから、アンナは自宅に仕事用のデスクがない人物として設定された。
「自宅に仕事をするための適切な場所がない場合の影響を視覚化するために、Furniture At Workは科学的研究を利用し、医療専門家と協力して、未来のリモートワーカーがどのようなものになるかを明らかにしました」(同社)
アンナは、ベッドで仕事をすることで肩が上がり、背中が丸まり、一日中画面を見つめているため、目が赤く腫れ上がっている。マウスをつかんだ状態で長時間過ごした結果、彼女の指はかぎ爪状に丸まってしまったのだ。
彼女はまた、体重増加、新鮮な空気の不足による免疫力の低下、不安、うつ状態にも悩まされているという。
この調査結果に基づいて医療専門家は在宅勤務者に対し、在宅勤務中に健康を維持するための措置を講じるよう呼びかけている。
「United Medical Education」の創設者であるブライアン・クラーク氏は、「リモートワーカーは背中や首の痛みを避けるために定期的に休憩を取ってストレッチをしたり体を動かしたりする必要がある」と忠告している。
“20-20-20ルール”の導入を推奨
在宅勤務で仕事に没頭してしまうと確かに運動量が極端に減ってしまうだろう。意識的に身体を動かさなければこのアンナのビジュアルとメンタルへとまっしぐらに進むことになる。
「Proactive Healthcare」社ディレクターのサラ・ギブソン氏は、“20-20-20ルール”の導入を推奨している。
「長時間画面を見つめる場合、“20-20-20ルール”に従うことは目の健康を守る素晴らしい方法です」とギブソン氏は説明する。
“20-20-20ルール”とは、20分ごとに画面から目を離し、20フィート(6メートル)離れたモノに20秒間焦点を合わせることだ。
一方、定期的に自宅で仕事をしている場合、前出のクラーク氏は専用のワークスペースを設定するようアドバイスしている。
「人間工学に基づいた家具を備えた指定されたワークスペースを設定することも、仕事と個人の時間の間に明確な境界線を確立するために重要です」(クラーク氏)
コロナ禍を契機に在宅勤務の時間が増えたという向きは、意識的にパソコンやスマホのモニターから目を離す時間を作り。ストレッチや運動を行うなどしてアンナになってしまう愚を避けなければならない。
参考:「Daily Mail」ほか
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