知られざる巨大秘密結社『オッド・フェローズ』とは…世界史を動かした【謎の組織】の全貌

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 オッド・フェローズ(Odd Fellows)という団体を聞いたことがあるだろうか。日本では一部のアンティーク界隈がグッズを扱う程度で一般的にはまだほとんど知られていないが、オッド・フェローズとは18世紀後半にイギリスの職人から生まれた友愛団体、秘密結社である。TOCANA的思考で友愛団体、秘密結社と聞くとどうしてもフリーメイソンを連想してしまうが、オッド・フェローズもやはり陰謀が囁かれるような団体なのだろうか。

 今回は、2024年9月4日にヒカルランドより発売された書籍『知られざる巨大秘密結社 オッド・フェローズ 世界史を動かした【謎の組織】の全貌』の翻訳者であり、日本における都市伝説の第一人者である宇佐和通氏に話を伺った。

知られざる巨大秘密結社 オッド・フェローズ 世界史を動かした【謎の組織】の全貌

宇佐和通(うさわつう)氏

――書籍にはオッド・フェローズは秘密結社、友愛結社とありますが、具体的にどのような団体なのでしょうか。

宇佐和通氏(以下、宇佐):一時期はフリーメイソンと並ぶくらいの組織力を誇ったと言われる互助と慈善を柱にした団体です。簡単に言ってしまえば同業組合のようなものなので、フリーメイソンと通じる部分もあるのですが、オッド・フェローズはフリーメイソンと同一視されるのを少し嫌がっている節があります。

 発足当初は労働者が相互に支え合うことを目的に始まり、規模は縮小したものの、現在も世界各地で活動を続けています。三つのリンクで結ばれた鎖が象徴する「友情、愛、真実」という価値観を基に、孤児や貧困層、病人への支援活動を行ってきたとされています。秘密主義的な儀式や象徴が特徴的ですが、フリーメイソンとは異なる独自の精神を持っています。今は地下化している部分もありますが、今もなお共通の価値観や儀式を持つことでメンバー間の結束を強めているようです。

――フリーメイソンで語られるような、「世界を裏で牛耳っている」みたいなこともありえるのでしょうか。

宇佐:オッド・フェローズの活動としては、慈善事業が中心であって、あくまで友愛団体なので怪しくはないとされていますが、そこにはネットワーク、資金力、そしてマンパワーが集まりますから、かなりの力を持っているのでは?と思う部分はありますね。イニシエーションと呼ばれる入会儀式の怪しさなんかもフリーメイソンと並べて見てしまう部分ではあります。

――かなり有名な方も所属していたようですね。

宇佐:元アメリカ大統領のウィリアム・マッキンリー、フランクリン・ルーズベルト、イギリスの元首相チャーチルなどが所属していました。政治家が多いですが、意外なところだとコメディアンとして有名なチャーリー・チャップリンもメンバーの一人でした。そして興味深いのはオッド・フェローズとフリーメイソンの両方に所属していた人が結構いることです。

――え、それはありなんですか?

宇佐:昔からどっぷり所属しているコアなメンバーじゃない限りは、顔つなぎのために所属していた人も多いようです。自分の仕事につなげたいという人も多かったんだと思います。

――フリーメイソンにはお互いが会員であることを認識するためのサインがあると言われていますが、オッド・フェローズにもそういった類のものは存在するのでしょうか。

宇佐:オッド・フェローズにも同じようなサインが存在します。そのサインが名刺代わりの挨拶であり、メンバー同士の確認でもあります。そして確認し合ったメンバー同士が助け合うといったシステムは、ほぼほぼフリーメイソンと同じだと思います。こういうシステムがなんだかグッときますよね(笑)。

――確かに男心をくすぐられますね。やはりオッド・フェローズはただの友愛団体ではないのでしょうか?

宇佐:一時的にでもフリーメイソンを凌ぐほどの規模へと成長した組織ですから、実は単なる慈善活動にとどまらない、もっと深い何かを隠し持っているのではないかという気もしています。そのあたりは是非今回の本を読んで判断してもらえればと思います。

――本日はありがとうございました。


 驚くべきことに、オッド・フェローズはフリーメイソンを凌ぐほどの規模を誇り、米国大統領や英国首相もメンバーであった。日本にも戦前には支部が存在し、国際的な影響力を持つ存在だったようだ。だが、彼らの教義や儀式、階位の詳細はヴェールに包まれており、外部には一切知られていない。ロッジで行われる謎めいた儀式は、ただの形式に過ぎないのか、それとも隠された意図があるのだろうか。

 200年にわたる興亡の歴史を生き延び、幾多の戦乱や社会的変革の中で、なぜオッド・フェローズはその存在を保ち続けたのか。政府の弾圧や社会的な危機にも屈することなく、なぜ彼らは世界中で秘密裏に活動し続けているのか。彼らのシンボルである「三つのリンクの鎖」は、友情、愛、真実を表しているとされるが、実際は別の何かを象徴しているのではないか……など秘密が多いだけに様々な妄想をしてしまう。

 その「奇妙な仲間たち」という名に秘められたオッド・フェローズの真意とは何か?一見、時代にそぐわないとも思える友愛団体が、現代でもなぜ息長く社会的役割を果たし続けているのか。その謎めいた歴史と、現在も多くの国で行われている慈善活動の裏側には何かがあるのだろうか。

 オッド・フェローズは、もしかすると都市伝説や陰謀論の背後にひっそりと姿を潜め、世界の歴史を密かに操ってきたのかもしれない。真実は彼らのロッジの奥深くに隠されているのだろうか。気になる人は宇佐和通氏が翻訳した「知られざる巨大秘密結社 オッド・フェローズ 世界史を動かした【謎の組織】の全貌」を読んで確かめてみてほしい。

知られざる巨大秘密結社 オッド・フェローズ 世界史を動かした【謎の組織】の全貌

画像は「Amazon」より

宇佐和通(うさわつう)
1962年、東京生まれ。東京国際大学卒業。南オレゴン大学にてビジネスコース修了。
ホテル、商社、通信社勤務を経て翻訳者・ノンフィクション作家に転身。

文=渡邊存瀰

4代目TOCANA編集長
X: @DailyTocana

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