南北戦争時代に撮影された“翼竜”の写真 ― それは本物か、巧妙なフェイクか? 意外な結末とは

1864年、アメリカ南北戦争のさなか。ヴィクスバーグ近郊で、北軍兵士たちが一体の巨大な翼を持つ生物を撃ち落とし、その亡骸の前で記念撮影をした――。この、にわかには信じがたい伝説と共に、一枚の古びた写真が、長年インターネット上で議論を巻き起こしてきた。写っているのは、6500万年前に絶滅したはずの翼竜と、誇らしげに銃を構える兵士たち。果たして、この写真は歴史を覆す本物の証拠なのか、それとも巧妙に作られたフェイクなのだろうか。
2枚存在する“翼竜の写真”―どちらが本物で、どちらが偽物か
このミステリーをさらに複雑にしているのが、酷似した「2枚目の写真」の存在だ。インターネット上には、同じように兵士たちが翼竜の亡骸を囲む、もう一枚の写真が出回っている。しかし、こちらは2000年から2001年にかけて放送されたSFテレビドラマ『フリーキーリンクス(FreakyLinks)』のために制作された、紛れもない“偽物”であることが判明している。
問題は、最初に存在したとされる「オリジナルの写真(通称:PTP写真)」の方だ。多くの写真専門家や未確認生物研究家は、「フリーキーリンクスの写真は、このオリジナル写真を模倣して作られたものだ」と主張。光の当たり方や影の落ち方などを分析し、「PTP写真はフォトショップなどで加工されたものではなく、本物である可能性が高い」と結論づけている。
彼らの主張によれば、翼竜の翼に見える部分は、一部で指摘されているような「カヌーの残骸」ではなく、翼竜(プテラノドン)の解剖学的特徴とよく一致するという。

ついに解明された謎―すべての答えは“ドラマの中”にあった
長年、真贋論争が繰り広げられてきたこのPTP写真。しかし、懐疑派ジャーナリストのブライアン・ダニング氏が、ついにこの論争に終止符を打つ決定的な事実を発見した。それは、あまりにも灯台下暗しな、しかし誰もが納得せざるを得ない結論だった。
なんと、論争の的となっていた「オリジナルのPTP写真」そのものが、テレビドラマ『フリーキーリンクス』の劇中に、小道具として登場していたのだ。
問題のエピソード第4話「Coelacanth This」。登場人物たちが、巨大な鳥による最近の襲撃事件と、古い写真との関連性を議論するシーンで、彼らのコンピューター画面に映し出されたのが、まさにあのPTP写真だったのである。
「デレク、これはありえない」
「何が?プテロダクティル(翼竜)が?」
「プテラノドンだ、もっと大きい」
「待てよ、デレク。この南北戦争の写真は、ただのデマかもしれないだろ?」
このシーンは、この写真がドラマの制作者によって、物語を盛り上げるために作られた「架空の証拠写真」であることを、明確に示している。つまり、オリジナルも模倣品もなく、出回っている2枚の写真は、どちらも2000年に20世紀フォックス社によって制作された“偽物”だったのだ。
人類は恐竜と共存していた?―カンボジア遺跡の謎のレリーフ
翼竜の写真はフェイクだったかもしれない。しかし、人類と恐竜が共存していた可能性を示唆する、不可解な“証拠”は、世界各地に残されている。
その一つが、カンボジアのアンコール遺跡群にある、12世紀に建造されたタ・プローム寺院のレリーフだ。そこには、数々の動物の彫刻に混じって、背中に特徴的なヒレを持つ、剣竜(ステゴサウルス)にそっくりな生物の姿が刻まれている。6500万年前に絶滅したはずの恐竜の姿を、なぜ12世紀のクメール人は知っていたのだろうか。

さらに、アメリカのモンタナ州では、約3万3500年前のものとされるトリケラトプスの角の化石が発見され、学会に衝撃を与えた。もしこの年代測定が正しければ、恐竜は我々が考えていたよりずっと最近まで生き延びており、初期の人類と遭遇していた可能性さえ出てくる。

南北戦争の翼竜の写真は、テレビドラマが生んだ巧妙なフィクションだった。しかし、人類と太古の生物をめぐるミステリーは、まだ終わってはいない。歴史の教科書が、いつか書き換えられる日が来るのかもしれない……?
参考:The Ancient Code、ほか
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2024.10.02 20:00心霊南北戦争時代に撮影された“翼竜”の写真 ― それは本物か、巧妙なフェイクか? 意外な結末とはのページです。恐竜、翼竜、南北戦争などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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