陰茎増大手術中に心臓発作… 58億円のダイヤを売った「ダイヤモンド王」の惨すぎる末路。暴かれた“虚飾の肉体”と無免許医の闇

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 世界最高峰の輝きを誇るダイヤモンドを扱い、富と名声の絶頂にいた男が、まさかあのような最期を迎えるとは誰が予想しただろうか。

 ベルギーとイスラエルを拠点に活動していた「ダイヤモンド王」エフド・アリエ・ラニアド氏(当時65歳)。彼は2015年に、当時世界最高額の約58億円で落札された伝説のダイヤモンド「ブルームーン・オブ・ジョセフィン」を販売したことでも知られる超大物実業家だ。

 そんな彼が選んだ終焉の地は、パリの高級エリアにある美容クリニックの、冷たい手術台の上だった。それも、あろうことか「ペニス増大手術」の最中にである。

「世界一のダイヤ」を売った男の拭えない劣等感

 富を極めた人間がさらなる「自信」を求めて美容整形に走ることは、今の世の中それほど珍しい話ではない。しかし、ラニアド氏のケースはあまりにも皮肉だった。

 事件が起きたのは2019年3月。彼はパリのサントノレ・ポンティユー通りにある高級クリニックを訪れ、ペニスに詰め物を注入する増大手術を受けていた。しかし、処置の最中に突如として心臓発作を発症。救急隊が駆けつけたものの、そのまま帰らぬ人となった。

 世界で最も高価な宝石を扱い、何不自由ない暮らしをしていた彼が、なぜこれほどリスクのある手術に執着したのか。周囲の証言によれば、彼は自分の身体的特徴に強いコンプレックスを抱いており、それを解消することに必死だったという。巨万の富を築いてもなお、自分自身の「サイズ」に対する不安を拭い去ることはできなかったのだ。

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画像は「Daily Star」より

暴かれた「ドーピング」と虚飾の肉体

 フランス当局による捜査の結果、ラニアド氏の死の背景には、単なる手術ミス以上の「不都合な真実」が隠されていたことが判明した。

 超高級ホテル「プラザ・アテネ」の彼の部屋からは、大量の禁止薬物が発見されたのだ。彼はボディービルに熱中しており、フランス国内では使用が禁じられているパフォーマンス向上剤(いわゆるドーピング薬)に加え、勃起不全(ED)治療のための化学物質を日常的に摂取していた。

 検死の結果、彼の心臓は肥大化しており、これらの薬物摂取が心臓発作を引き起こす決定的な要因になったと結論づけられた。つまり、彼は「より強く、より大きく」という果てなき欲望のために、自らの心臓に限界以上の負荷をかけ続けていたのである。

闇のクリニックと「名ばかり」の専門医

 この悲劇をさらに悪化させたのが、手術を行ったクリニックのずさんな実態だ。

 執刀した有名美容外科医のガイ・H被告(当時70代)と、その助手は、実はフランスの医師会に登録すらされておらず、無免許で医療行為を行っていたことが発覚した。さらに、資格がないにもかかわらずボトックス注射なども日常的に行っていたという。

 裁判の結果、ガイ・H被告には禁錮15ヶ月(執行猶予付き)と罰金5万ユーロ(約900万円)、助手には禁錮12ヶ月(執行猶予付き)と罰金2万ユーロの判決が下された。二人はすでに医師としての活動を永久に禁止されている。

 皮肉なことに、ラニアド氏は手術の直前に腹痛を訴え、一度は救急車を呼ぼうとした形跡があったという。しかし、彼は自らの意思で手術の続行を選んだ。それが人生最後の選択になるとは知らずに。

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輝きの裏に潜む深淵

 ダイヤモンドは永遠の輝きを放つが、それを扱う人間の命はあまりにも脆い。世界一のダイヤを手中に収めた男が、最終的に求めたのが「肉体的な誇示」であり、それが原因で命を落としたという事実は、人間の虚栄心が持つ底なしの深淵を感じさせる。

 日本では、美容整形や増大手術はかつてほどタブーではなくなりつつあるが、そこには常に「命のリスク」と「終わりのないコンプレックス」が隣り合わせであることを忘れてはならない。

「ブルームーン(めったに起こらない幸運)」の名を持つダイヤを売ったラニアド氏だが、彼自身の最期は、決して幸運とは呼べないものだった。彼の遺体は故郷イスラエルに埋葬されたが、その伝説的なキャリアよりも、この衝撃的な最期の方が長く人々の記憶に刻まれてしまうのは、あまりにも悲しい結末と言わざるを得ない。

参考:Daily Star、ほか

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