ベッドの下に眠っていた絶滅動物「タスマニアタイガー」の剥製頭部! 約1200万円で落札された「世界唯一」の品、わずか数週間で2つ目が現れる

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「世界に1つしかない」と言われた品が、数週間後にもう1つ見つかった。しかも見つかった場所は博物館の収蔵庫ではなく、一般家庭のベッドの下だったという。

 その品とは、1936年に絶滅したとされるタスマニアタイガー(フクロオオカミ、サイラシン)の剥製頭部だ。英国ブリストルのオークションハウス「オークショニアム」が11月26日に競売にかける予定で、落札予想額は3万〜5万ポンド(1ポンド=約200円で換算して、およそ600万〜1,000万円)とされている。

「キツネの頭」として約6000円から始まった1つ目

 話は今年8月にさかのぼる。同じオークションハウスに、ある剥製の頭部が出品された。前の持ち主が骨董市で見つけ、ぎょろりとした目玉に惹かれて買ったものだった。

 出品時にはキツネの頭だと思われていた。そのため予想額はわずか30〜50ポンド(約6000円〜1万円)。フリマアプリに並んでいても不思議ではない値段だ。

 ところが、その正体に気づいた入札者が2人いた。競り合いの末、頭部はジェームズ・クランフィールド氏が5万ポンドで落札した。手数料1万ポンドを加えた支払総額は6万ポンド(約1200万円)にのぼる。

 タスマニアタイガーの標本は絶滅後もごく少数が売買されてきたが、その多くは敷物に加工された毛皮だった。完全な形で残った頭部が見つかったのは、このときが初めてだったという。クランフィールド氏は、これを博物学の世界の「聖杯」と呼び、自分の手にある頭部が世界で唯一の品だと胸を張っていた。

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画像は「Metro」より

「トレバー」と名付けられた2つ目、頭蓋骨には銃撃の痕か

 ところが、その「唯一」の座は長く続かなかった。8月の落札が話題になったのを見て、ロンドンに住むある夫婦が名乗り出たのだ。自宅にあった剥製の頭部が、まさに同じタスマニアタイガーのものだったのである。夫婦は当初、それがどれほど珍しいものか全く知らなかったという。

 スタッフから「トレバー」という愛称で呼ばれるようになったこの頭部は、X線撮影によって、内部に本物の頭蓋骨がそのまま残っていることが確認された。頭蓋の右側の一部が欠けており、100年以上前に致命傷を与えた銃弾の跡ではないかと競売人のアンドリュー・ストウ氏は見ている。

 鑑定にあたったのは、国際サイラシン標本データベース(ITSD)のスティーブン・スレイトホルム博士だ。このデータベースは、公的機関や個人が所有する既知の遺物をすべて記録しているもので、頭部は正式に登録された。博士は、タスマニアタイガーの遺物は動物標本の中でも極めて希少で価値が高く、金額以上に、絶滅した種の貴重な記録になるとの見解を示している。

 ストウ氏も、8月の落札は一生に一度の出来事だと思っていたと振り返る。数週間のうちに2つ目を扱うことになったのは驚異的で、同社がこれまでに扱った中で最も重要な品だと語った。なお、出品者の家族は取材へのコメントを控えている。

絶滅から90年、今も「目撃」が絶えない幻の獣

 タスマニアタイガーは、オーストラリア本土、タスマニア島、ニューギニアに分布していた肉食の有袋類だ。カンガルーと同じ有袋類でありながら、収斂進化によってイヌのような姿になったという変わり者である。

 本土の個体群は約2000年前に姿を消したが、タスマニア島では近代まで生き延びていた。しかし1936年を最後に絶滅したとされ、今では残された標本がこの動物を知る数少ない手がかりになっている。

 その一方で、タスマニアタイガーには絶滅後も「それらしき動物を見た」という話が絶えない。今やUMAの一種として語られることも多い存在だ。

 骨董市でキツネと間違われていた品が、1000万円を超える値で落札された。そしてもう1つは、ロンドンの民家のベッドの下で眠っていた。タスマニア島の森の奥にも、まだ誰にも気づかれていない「もう1頭」がいるのではないか。そう思いたくなる人がいても不思議ではない。

参考:Metro、ほか

TOCANA編集部

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