92歳老婆の腹から「ミイラ化した巨大胎児」 ― 剥がせぬミイラに医師が出した答え= チリ
【10年以上南米で暮らすラウタ郎が選ぶ、驚愕南米ニュース】
チリといえば、「やたらと細長い国土」くらいのイメージしか思い浮かばない日本人が多いと思うが、想像以上に興味深い国だ。そのチリから、医学的にも珍しい事件が先月飛び込んできたので紹介しよう。
6月19日のローカル紙「El Lider」によると、チリ中部、首都サンティアゴからも近いサンアントニオ市で事件は起きた。
エステラ・メレンデスさん(92歳)が、転倒した際に痛めた肘の検査をするために、地元の病院に運び込まれた。しかし、「腹部にも以前からずっと痛みがある」と訴えたため、念のため腹部の検査もしてみたところ、驚愕の事実が明らかになったのだ。
■レントゲンにミイラ化した胎児
検査を担当した婦人科医のマルコス・バルガス医師は「最初この話を聞いた時は、腹部の腫瘍が原因だと考えていた。ところがレントゲン検査の結果から見えてきたのは、胎児と思われる骨格だったんです」と語る。
そのレントゲン画像には、エステラさんの胃に近い腹腔内でミイラ化した胎児とそれを包み込むように覆う石灰質が確認できた。
「あまりにも長期間にわたって彼女の体内にあったため、胎児の体組織は彼女の身体に同化して取り込まれたのだろうと考えられます」
「非常に稀な現象であるため確かなこととは言えませんが、子宮外妊娠で亡くなった胎児がそのまま体内に残り、柔らかい部分はエステラさんの身体に取り込まれ、残った骨や皮膚を彼女の身体が防衛のため石灰質で覆ってカプセル化した可能性がある」
「もちろん、医学的に胎児が母体の中に何十年も留まることは考えられません」
■いつから胎児は彼女の体内にいたのか?
エステラさんは1923年、チリ中部の貧しい家庭に生まれた。生涯を通じて経済的に豊かだったことはなく、身寄りもいなかった。だから、腹部が痛み始めても、病院へは行かなかった。自分の妊娠にすら気づかず、誰にも相談できず、徐々に増す腹の痛みに耐えながら生きてきたのだ。
「貧しくて病院へは行けなかった」
「いつの間にか痛みを抱えて生活することに慣れていった」
と彼女は語っている。
医師は、
「レントゲン写真から推定できる胎児の大きさは30週目、体重はおよそ2kg。いつ生まれてもおかしくないという大きさだった」
「この大きさのミイラ化した胎児と共に生活するのは大変な困難を伴っただろう」
と、エステラさんを気遣った。ちなみに、エステラさんが痛みを感じ始めた時期やミイラ化した胎児の状態から、少なくとも50年以上前に体内で亡くなったと考えられている。
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