未解読文字「線文字A」解読に期待! ミノア文明の様式が取り入れられた副葬品1,400点超発見!!
紀元前2000年前後に、ギリシア・クレタ島を中心に栄えたミノア文明。青銅器文明としても知られる同文明の様式が取り入れられた品々が発掘され、「欧州文明の起源を探る上で重要な発見だ」と、考古学会に驚きと興奮が広がっている。
ギリシアの南方にある地中海に浮かぶ同国最大の島(四国のおよそ半分程度)、クレタ島。メトロポリタン美術館に所蔵される「盲人を癒すキリスト」などを描いた画家のエル・グレコを輩出した都市・イラクリオンを中心とした同島には、空港や高速道路もあり、また気候も良いため、バカンスに訪れる人も多い。さらに、ミノア文明の王宮群である、クノッソス、ファイストス、マリアなどの遺跡があり、世界中から観光客が訪れる。しかし、これら世界最大級の重要遺跡は、なぜか世界遺産には指定されておらず、そのことに疑問の声も上がっている。
そんな中、ギリシア南西部のピュロスで、約3500年前の青銅器時代に葬られたと見られる王族の墳墓が発掘された。さらに墳墓からは、青銅器時代の王族とみられる人物1体の骨に加え、女神や動植物をかたどった金の指輪やネックレス、杯、複雑な模様が彫られた50個を超える印章石なども出土。それら副葬品の数はなんと1,400点を超え、単独の墳墓からの出土品としては国内最大の規模だという。また、出土品にはミノア文明の様式が取り入れられており、“ヨーロッパ最古の文明”“世界最初の海洋交易社会”とされている同文明を紐解く、大きな発見になりうると考古学会に衝撃を与えた。
墳墓を発見したアメリカ・シンシナティ大学が主導する考古学の研究チームに所属するシャロン・ストッカー上級研究員は、埋葬された人物について「現時点で特定することはできない」と述べている。しかし、見つかった多くの副葬品から「極めて地位が高く、裕福な人物だった」と見ているようだ。
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