「B型ダメ人間説」はなぜ信じられた? 血液型性格診断が拡散の裏にアノ有名大学が関与
2020.10.28 14:00
元々、入試面接の点数補正の基準にすぎなかった血液型性格判断は独り歩きしてしまい、発案者である古川竹二は設立されたばかりの日本心理学会に頼まれて、『心理学研究第二巻』に『血液型による気質の研究』を発表しました。
論文が掲載された『心理学研究』が第二巻であるように、日本心理学会はその前年の1926年にできたばかりの新興学会で、当時は会費さえ払えばだれでも論文を掲載できたような雑誌でした。そこに、現代まで続く著名な研究の創始者の論文が発表されたことで急激に人気が出て、現在まで存続している日本最古の心理学の団体になっています。
難関校の入学試験で血液型で点数が補正されることが知れ渡ると、他の試験でも血液型による点数補正が実施されるようになりました。最初は2種類だった分類も、研究が進むほど無意味な細分化が進み現代の姿になっていきましたが、膨大な統計データが集まって専門家による統計解析が進むと、血液型と性格に全く関係がないことが判明してしまいました。
こうして昭和8年(1933年)に医学会が否定声明を出すと、血液型による点数補正は行われなくなりました。
血液型性格判断は、最初の実施から16年、論文が発表され追試が行われてから6年で完全に否定された、一人の文系教師が考えた珍説に過ぎなかったのです。
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