もうすぐ超高度な宇宙人が作った「自己複製宇宙機」を発見できる!? 中国の電波望遠鏡「FAST」に科学者が期待
広い宇宙をくまなく見渡す“天眼”と称される中国の最新鋭電波望遠鏡は、まもなく高度先進文明の痕跡を発見することになるという。その痕跡とは、「自己複製する宇宙ドローン」――!
■ノイマンが提案した自己複製宇宙機を発見できる?
57年にわたって天文学研究の最前線に立ち続けるも、昨年12月にタワーの上部が崩壊して残念ながら完全にその役割を終えることになった米領プエルトリコにあるアレシボ天文台の電波望遠鏡だが、その後継としてますます重責を担うことになったのが中国の“天眼”こと「FAST」(500メートル口径球面電波望遠鏡)である。
そのニーズに呼応するかのように、中国科学院国家天文台は今年4月に全世界の科学界に向けて、「FAST」を利用した観測プロジェクトの募集をアナウンスし、8月からは一部で運用が開始されている。

現時点で世界最大の電波望遠鏡であるこのFASTに世界中の研究者が期待を寄せ、プロジェクトの提案を行っているのだが、その中には、なんと地球外文明の探査を目的にした興味深い提案もある。
ジョージアの首都トビリシにあるトビリシ自由大学の物理学教授であるザザ・オスマノフ博士が2020年7月に「arXiv.org」で発表した査読前の研究論文では、故ジョン・フォン・ノイマンが提案した自己複製宇宙機(self-replicating probes)をFASTを使って発見するプロジェクトについて解説されている。
自己複製宇宙機とは、自己複製する機能を備えた無人の宇宙機や宇宙探査機であり、数学者ジョン・フォン・ノイマンによって考案されたフォン・ノイマン探査機としても知られている。自己複製宇宙機は宇宙空間で各種探査を行う上で最も効率的な方策であるとされ、高度先進文明であれば運用可能であろうと考えられているのだ。
「この論文は、以前の研究を発展させ、星間非相対論的タイプIIおよびタイプIIIのフォン・ノイマン探査機のスペクトル特性を検討しました。複製に必要な陽子捕獲によって、強い制動放射が生成されることが示されています。どちらのタイプの文明でも、ノイマン探査機は主に赤外線スペクトルバンドで表示される可能性がありますが、宇宙機は紫外線でも表示される可能性があることがわかりました。どちらの場合も、差動パワーには等間隔の周波数の伏角があることが示されました。これは、そのようなエキゾチックな星間天体を識別するための重要な手掛かりである可能性があります」(研究論文より)
この宇宙に地球人よりはるかに長く存在し、はるかに進んだ文明があるという可能性に基づけば、オスマノフ博士はそれら先進文明の電力使用法もより進んでいると推測している。
カルダシェフスケールに基づけば、タイプIの文明は完全な再生エネルギーを達成しており、タイプIIの文明は恒星系のエネルギーを使用および制御でき、タイプIIIの文明は銀河全体のエネルギーを制御できるとされている。現在、我々の文明はまだフリーエネルギーさえ実現できていないことから、カルダシェフスケールでは約0.75の文明であると考えられている。

■前提として地球外先進文明は存在している
オスマノフ博士は、自己複製宇宙機はタイプIIおよびタイプIIIの文明によって運用されているとし、銀河の周りを移動する自己複製宇宙機の群れのエネルギー出力にFASTが焦点を合わせるように調整することができると説明している。
「すべての不完全なシステムと同様、これらの自己複製宇宙機は何らかの形の放射線を放出します。オスマノフ博士が計算したものが電波スペクトルに表示されるはずです。具体的には、FASTで検出できる無線スペクトル帯域の範囲内にあるはずなのです」(研究論文より)
天文学系メディア「Universe Today」は、オスマノフ博士によると鍵を握っているのは自己複製宇宙機群のエネルギー出力を拾うことではなく、それがどれだけ離れているかを計算することであると説明している。
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2024.10.02 20:00心霊もうすぐ超高度な宇宙人が作った「自己複製宇宙機」を発見できる!? 中国の電波望遠鏡「FAST」に科学者が期待のページです。電波望遠鏡、FAST、地球外文明、天文学、天眼、自己複製宇宙機、フォン・ノイマン、宇宙などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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