本当にあった秘密結社「パグの騎士団」とは!? 四つん這いでワン… 衝撃の入会儀礼
そのブサカワっぷりが人々の心をつかんで離さない小型犬のパグだが、飼い主に対するきわめて高い忠誠心もその美点の1つだ。パグをこよなく愛する愛犬家も少なくないが、かつてヨーロッパではパグの忠誠心を礼賛し、メンバー同士の忠誠を誓う秘密結社「パグの騎士団」が存在したのだ。
■フリーメイソン禁止令で生まれた「パグの騎士団」
アダルトな話題として、SMジャンルのひとつに首輪をつけて四つん這いになりご主人様に忠誠を誓うペットプレイがあるが、その起源は秘密結社にあったのかもしれない!? 18世紀のフランスでは四つん這いで9回まわって「ワン」と叫び、小型犬・パグのお尻にキスをして忠誠を誓う秘密結社「パグの騎士団(The Order of the Pug)」が結成されていたのだ。
秘密結社の代表格であるフリーメイソンは社会に大きな影響力を持つといわれているが、それだけに危険視されていた時代もあった。
1738年、ローマ教皇のクレメンス12世は、極めて秘密主義のフリーメイソンをカトリックへの脅威と見なすとともに、フリーメイソンを排斥する初めての教皇勅書「イン・エミネンティ」を発令してローマカトリック教徒がフリーメイソンに加わることを禁止したのである。
この教皇勅書の抜け穴を確保するため、バイエルンの貴族が新たな秘密結社「パグの騎士団」を設立したといわれている。このメンバーは実のところフリーメイソンであったのだが、教皇勅書に抵触しないように活動方針を変えた結社であり、男性しかメンバーになれないフリーメイソンとは異なり、女性のカトリック教徒もメンバーになることができた。
パグの忠誠心を称賛する「パグの騎士団」のメンバーは自らをズバリ「パグ」と呼び、結社への忠誠を誓い、マスターは「グランドパグ」と呼ばれた。
■まるでSMペットプレイ!? ユニークな入会儀礼
入会儀礼(イニシエーション)はこの上なくユニークだ。まずはロッジの部屋に入る前、新入会員はまるで今からSMプレイでもするかのように真ちゅう製の犬の首輪をつけられる。そしてドアを犬のように“前足”で叩き、入室が認められると目隠しをされ、シンボルが描かれたカーペットの周りを四つん這いで9周させられるのだ。その間、周囲の「パグ」たちは「死を忘ることなかれ(メメント・モリ)」と大声で吠える。喚声に包まれて9周し終えると、四つん這いのまま忠誠を誓う意味でパグ(実際には陶器製のパグであることが多かったという)のお尻にキスをする。
最後に新入会員は男性の場合は剣、女性の場合は鏡を持ち再び忠誠を誓い、目隠しを外される。晴れて入会を許され「パグの騎士団」のメンバーになると、パグが描かれた銀製のメダルが授与されるということだ。
こうして女性も入会できる結社として本格的に活動を開始した「パグの騎士団」だったが、1745年にカトリックの修道院長がアムステルダムで出版した本の中で、この「パグの騎士団」の実態とその儀式が描写され、フリーメイソンの下部組織であることも暴かれることになる。
同書の出版後に「パグの騎士団」はすぐに禁止されることになったが、噂によるとフランスのリヨンで1902年まで秘密裏に活動を続けていたともいわれている。
もし「パグの騎士団」が密かに現代によみがえっているとすれば、あなたはこのユニークな入会儀礼を受けて入ってみたい気はあるだろうか!?
参考:「Ancient Origins」、「Wikipedia」、ほか
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