史上最も残酷な処刑… 灼熱の玉座に座らされ、仲間に“自分の肉を食べられた男”の最期

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ドージャの処刑(現代木版画) パブリック・ドメイン, リンク

 歴史上、残酷な処刑方法は数多く存在するが、その中でも群を抜いて恐ろしいとされるものがある。それは、一人の男が仲間の目の前で焼きごてを当てられ、その肉を引き裂かれて「食べられる」という、想像を絶する地獄絵図のような処刑だった。

 その犠牲となったのは、16世紀のハンガリーで農民反乱を率いた英雄、ドージャ・ジェルジ(György Dózsa)だ。彼が受けた刑罰は、歴史上最も残酷な死の一つとして今も語り継がれている。

農民のために立ち上がった革命家

 ドージャ・ジェルジはただの反乱者ではなかった。彼は、当時の社会秩序を根本から覆そうとした革命家だった。貴族階級を廃止し、彼らやカトリック教会が独占していた土地や富を貧しい農民たちに再分配することを目指したのである。

 1514年当時、これは極めて急進的な思想だった。ドージャは農民軍を結成し、瞬く間に4万人もの支持者を集めた。「裏切り者の貴族たちは我々を絶滅させようとしている」と演説し、圧政に苦しむ民衆を鼓舞した。彼の軍勢は貴族の館を焼き払い、支配者層を恐怖のどん底に陥れた。

夢破れ、待ち受けていた地獄

 しかし、貴族たちは黙っていなかった。彼らは傭兵を雇い入れ、装備の貧弱な農民軍を追い詰めていった。そして1514年7月15日、現在のルーマニア・ティミショアラ近郊での戦いで、ドージャの軍は敗北を喫した。

 反乱の指導者を捕らえた貴族たちは、二度と誰も逆らおうと思わないような、見せしめのための極刑を用意した。それは、彼が「農民の王」になろうとしたことを嘲笑うかのような、残酷極まりない演出だった。

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Viktor Madarász 作、 1913年『Dósa György』、パブリックドメイン (出典

灼熱の鉄の玉座と肉を食らう仲間たち

 処刑当日、ドージャは灼熱の鉄の玉座に座らされた。その玉座は、くすぶるほど熱せられていたという。さらに、真っ赤に焼けた鉄の冠を被せられ、同じく高熱の勺(しゃく)を持たされた。皮膚が焼ける臭いが充満する中、彼はこの拷問に耐えなければならなかった。

 しかし、本当の地獄はここからだった。飢えさせられた9人の反乱軍の仲間たちが部屋に連れてこられたのだ。執行人は熱したペンチでドージャの肉を引き裂き、仲間たちにそれを食べるよう命じた。

 当然、最初は拒む者もいたが、彼らは即座に切り刻まれて処刑された。残された者たちは恐怖に屈し、命令に従わざるを得なかった。彼らは、かつての指導者の肉を口にすることを強制されたのである。

 こうしてドージャ・ジェルジは、想像を絶する苦痛と屈辱の中でその生涯を閉じた。彼の出身については不明な点も多いが、その凄惨な最期は「史上最も残酷な処刑」として歴史に深く刻まれている。

参考:Mirror、ほか

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