身長1.2m・二本足で立つカエル男「ラブランド・フロッグマン」—— 70年の目撃史と州公式UMA認定への道

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 UMAといえばビッグフットやネッシーが定番だが、アメリカ中西部には「カエル男」という一風変わったスターが潜んでいる。身長約1.2メートル、二本足で直立し、革のような皮膚に大きな口——

 目撃者によれば、牧草のような青臭さと甘いナッツ臭が混ざった奇妙な匂いを漂わせるというその生物の名は「ラブランド・フロッグマン」。オハイオ州ラブランドの小さな町で1955年に初めて報告されて以来、約70年にわたって目撃談が途切れることなく続き、2026年4月にはついにオハイオ州議会で「州公式UMA」に認定する法案まで提出された。カエル男が歩んできた、奇妙で愛おしい70年史を追ってみよう。

1955年の夜、リトルマイアミ川のほとりに「3体」が立っていた

 始まりは1955年のある夜だった。ラブランドの地元実業家がリトルマイアミ川の土手を車で通りかかったところ、川べりに3体の異様な生物が直立しているのを目撃したと報告した。身長は約1.2メートル、大きな頭部にカエルのような顔、そして二本の足でしっかりと立っていたという。当時は「酔っ払いの見間違い」程度に片付けられ、地元紙の片隅を飾っただけだった。しかしこの実業家の証言は、17年後に思わぬ形で「裏付け」を得ることになる。

警察官2名が相次いで遭遇——1972年の「事件」

 フロッグマンの伝説を決定的にしたのは1972年の出来事だ。ラブランド市の警察官レイ・ショッケーが深夜のパトロール中、道路脇にうずくまる奇妙な生物を発見した。ヘッドライトに照らされたその存在は、ゆっくりと立ち上がり、ガードレールを乗り越えてリトルマイアミ川へと姿を消したという。約2週間後、同僚のマーク・マシューズも同じ付近で類似の生物を目撃。マシューズはとっさに発砲したが、生物は川に飛び込んで逃げたと報告された。

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「警官2名の証言」という事実は、フロッグマンを単なる酒場の与太話から「記録の残るUMA」へと格上げした。ただし、マシューズは後年になって「あれは大きなイグアナだった可能性がある」と証言を修正している。真相はさておき、この1972年の2件の目撃が、ラブランドの町を永遠に「カエル男の聖地」に変えてしまったことだけは確かだ。

2016年、スマホ時代のフロッグマン再臨

 その後も散発的な目撃談は続いたが、フロッグマンが現代に「復活」したのは2016年のことだ。地元の若者がリトルマイアミ川付近で二足歩行する大型の生物を目撃し、暗闘の中スマートフォンで撮影した。映像にはぼんやりとした人型のシルエットが映っていたが、画質が悪く決定的な証拠とはならなかった。それでもSNS時代の拡散力は凄まじく、「フロッグマン再来」のニュースは瞬く間にオハイオ州を超えて全米に広がった。






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カエル男、州議会へ行く——フェスティバルから公式認定法案まで

 ラブランド・フロッグマンの最大の魅力は、「誰も怖がっていない」ことかもしれない。ビッグフットやモスマンのような恐怖の対象ではなく、町のマスコットとして愛されている。2023年には「フロッグマン・フェスティバル」が創設され、閏年限定の「リターン・オブ・ザ・フロッグマン」イベントまで企画されている。さらにブルーグラス音楽のミュージカルや長編映画も制作され、フロッグマンはすっかりポップカルチャーの住人だ。

 そして2026年4月、事態は予想外の方向へ動いた。オハイオ州下院にて、民主党のトリスタン・レイダー議員と共和党のジーン・シュミット議員が超党派で「ラブランド・フロッグマンをオハイオ州公式クリプティッド(UMA)に認定する法案」を提出したのだ。アメリカでは各州に「州の鳥」「州の花」があるが、「州のUMA」を正式に制定しようという動きは極めて珍しい。カエル男がついに行政のお墨付きを得る日が来るのかもしれない。

 日本でも「ツチノコ」を町おこしに活用する自治体は少なくないが、議会で法案提出にまで至った例は聞かない。UMAの「公式認定」という発想自体が、オカルトと行政のまさかの交差点である。カエル男の正体が巨大イグアナだろうと未知の両生類だろうと、70年間にわたって一つの町を楽しませ続けてきたこの「何か」は、もはやそれ自体が立派な文化遺産なのだ。

参考:Mental Floss、ほか

TOCANA編集部

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