深夜の村に『燃える瓜』が落下し大爆発!? UFOという言葉が生まれる前、1932年スペインで記録された『電磁異常を伴う発光体』の謎

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 UFOという言葉が世界に広まったのは、1947年にアメリカのケネス・アーノルドが「空飛ぶ円盤」を目撃してからだとされる。だが、それより15年も前——電磁的な異常を伴う謎の発光体が、スペインの小さな村を襲っていた。

 1932年12月8日の深夜、ウエルバ州の農村アロヨモリーノス・デ・レオンで起きたその一夜は、住民たちに「火の玉」の記憶を刻みつけた。証言を掘り起こしていくと、そこには現代のUAP目撃と不気味なほど重なる要素が並んでいる。

深夜の空から落ちてきた「火の瓜」

 事件が起きたのは、無原罪の御宿り(カトリック教会の最も重要なお祝いの一つ)の祝日にあたる12月8日から9日にかけての真夜中ごろだった。標高700メートル、人口およそ5000人の農村の上空に、突如として奇妙な光の塊が出現したという。

 目撃者のひとり、教会広場に暮らしていたホセファ・ゴンサレス・バスケス氏は、その姿を「多くの火花を散らす毛糸玉のようだった」と表現している。まるで糸巻きから糸がほどけるように、光の尾を引きながら落下してきたというのだ。彼女は当初、あまりの明るさに落雷だと思い込んだと語っている。

 証言を残したのは彼女だけではない。妹のエスペランサ氏、そして近所に住むレヒナ・サントス・ヌニェス氏——確認されているだけで三人の女性が、村の真上に「燃える瓜」のような紡錘形の物体が落ちてきたと口をそろえた。物体はある高度まで降りたところで砕け、雷鳴とは明らかに異なる、耳をつんざく爆発音を轟かせたという。

停電、焼けた配線、砕かれた岩盤

 この発光体が奇妙なのは、光と音だけで終わらなかった点にある。爆発の直後、村の明かりが約2秒間すべて消えた。だが発電機を管理していた技師が調べても、停電を説明できるような故障はどこにも見つからなかったと記録されている。

 物理的な異常はさらに続いた。ある民家の2階では、爆風とほぼ同時に電気配線が発火。1階では、電源につながっていないはずの電球が粉々に砕け散っていた。村の3台のうち2台のラジオが損傷し、翌日にはスイッチを切っていた受信機から一切の音が出なくなっていたという。

 最も不可解だったのは、発電所の地下ピットである。硬い岩盤を底に持つ深さ2.5メートルほどの穴の床が、何者かの巨大な力によってめくり上げられ、10キロを超える岩の破片が散乱していた。宿屋では仕切り壁が倒れ、亭主はその場で意識を失ったと伝えられている。それでいて、被害の出た建物の屋根や外壁には傷ひとつなく、損傷した場所はほぼ一直線上に並んでいたという。

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15キロ離れた町でも——「火の玉」が問いかけるもの

 実はこの日、アロヨモリーノスの騒動より5時間ほど前、直線距離でおよそ15キロ離れたガラロサの町でも、よく似た現象が目撃されていた。

 夕刻の宗教行列の最中、火の色をした大きな球体が、みずからを転がすように回転しながらゆっくり空を移動していったというのだ。あまりに動きが緩やかだったため、信者たちはガラス片を煤で燻らせ、その光を観察する余裕すらあったと証言されている。

 時代背景も、この事件を複雑にしている。当時のスペインは第二共和政下の社会不安のただなかにあり、爆発を耳にした住民の多くは政治過激派が仕掛けた爆弾だと思い込んだ。治安警察は銃を構えてテロに備えたという。混乱のなか、ある作業員は服を着たまま道の真ん中に立ち尽くし、なぜそこにいるのか一切記憶がなかったとも記録されている。

 調査者イグナシオ・ダルナウデ氏は、物体の落下速度や軌道が垂直だったのかどうかという肝心の情報が欠けている点を惜しんでいる。もし降下が緩やかで垂直ではなかったと確かめられれば、それは何らかの知性が意図的に空で起こした出来事だった可能性が浮かび上がる——氏はそう結論づけている。

 落雷か、隕石か、それとも当時の誰も名づけられなかった「何か」か。94年の歳月を経てなお、火の瓜が残した問いは村の岩盤のように硬く、崩れないままだ。

参考:Inexplicata、ほか

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