インド洋海底に眠る「幻の大陸」とは…… 30億年前のジルコンが暴く″レムリア”伝説160年目の真相

インド洋の海底に、太古の「失われた大陸」が眠っているという噂が再燃している。19世紀に名付けられた幻の大陸「レムリア」は、地底都市や宇宙人由来の文明の伝説とともに語られてきた。
科学者による海底地殻調査が進む一方、明らかになっているのはあくまで地質学的な「大陸の断片」であり、レムリア伝説や古代文明を裏付ける証拠は見つかっていない。
地質学者が追う「モーリシャ」の輪郭
インド洋の海底には、モーリシャと呼ばれる古代の地殻の断片が眠っている。約2億年前、超大陸ゴンドワナの分裂で取り残された陸地の名残だとされ、2013年の論文で存在が指摘、2017年の研究で溶岩に覆われた痕跡がさらに裏付けられた。
研究チームはモーリシャス島周辺のジルコンという鉱物を年代測定し、地表の岩石が最古でも900万年程度なのに対し、ジルコンには約30億年前のものもあると確認した。この年代差が、地表の下により古い大陸の断片が眠る手がかりとされる。
研究者たちは現在、重力逆解析という手法でモーリシャの範囲や形状の特定を進めている。だが得られているのは地殻構造のデータのみで、古代文明の遺跡やレムリアの実在を示す証拠は一切報告されていない。

化石の謎から生まれた「レムリア」という仮説
レムリアという概念は、1864年に英国の動物学者フィリップ・スクレーターが提唱した学説にさかのぼる。キツネザル(レムール)の化石がインドとマダガスカルの両方で見つかる一方、間のアフリカでは発見されないという謎があった。
動物が海を渡ったとは考えにくく、スクレーターはかつて陸橋が存在し後に沈んだとする仮説を提示、この陸地を「レムリア」と名付けた。学説は一時支持されたが、後にプレートテクトニクス理論でインドとマダガスカルが同じ超大陸の一部だったと判明すると科学の世界から姿を消した。だが名前だけは主流科学の外側で生き残り、オカルト思想と結びついていく。
神智学、地底都市、そして「核戦争」——膨張し続けた伝説
伝説を変容させたのが、19世紀の神秘思想家ヘレナ・ブラヴァツキー夫人だ。神智学を興した彼女は1888年の著書『シークレット・ドクトリン』で、人類には7つの「根源人種」がいたと主張し、卵生の「レムリア人」を描いた。レムリア人が「性」を発見したことが大陸崩壊の引き金となり、オーストラリアとイースター島だけが残ったという、あくまで霊的な着想だ。
伝説は米カリフォルニア州のシャスタ山とも結びついた。地元の伝承では大地震後もレムリア人が生き延び、山の地下に「テロス」という都市を築いたとされ、身長約213cm(7フィート)のローブ姿の住人を目撃したという者もいるが、物的証拠はない。
英作家ジェームズ・チャーチワードが唱えた「ムー」大陸の伝説とも混ざり合い、地球外由来のDNAを持つと信じる「スターシード」思想や、レムリアが核戦争で滅びたとする説にまで広がっている。
『Portraits of Alien Encounters Revisited』の著者ナイジェル・ワトソン氏は、地球外の存在が古代に人類と共存していたと説く論者たちが、聖書の記述や砂漠のガラス質岩石を核戦争の痕跡と解釈してきたと指摘する。これらは自動書記や心霊メッセージに基づき物理的証拠はないが、「高度な文明も自滅しうる」という警告として機能してきた面もあるという。
現時点で確認されているのは、インド洋の海底にモーリシャという地殻の断片が眠るという地質学的事実だけだ。レムリアという大陸や先史文明を示す証拠は、依然としてどこにも見つかっていない。
160年前に化石の謎を説明するために生まれた仮説が、なぜここまで壮大な物語へ膨らんだのか——その過程にこそ、人類が「失われた文明」に抱き続けるロマンの正体が透けて見える。
参考:Daily Mail、ほか
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2024.10.02 20:00心霊インド洋海底に眠る「幻の大陸」とは…… 30億年前のジルコンが暴く″レムリア”伝説160年目の真相のページです。大陸、レムリア、シャスタ山などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
