「信号機は電子暗殺兵器」と信じた陰謀論者夫婦、センサーの配線を切断して逮捕

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画像は「Facebook」より

 世の中には電子レンジやWi-Fiルーターを危険視する陰謀論者がいるが、今回のターゲットは誰もが毎日目にする信号機だった。

 イギリス南西部の海辺の町イルフラコムで、信号機のセンサーを「軍事由来の暗殺兵器」だと信じ込んだグループのメンバーが、実際にセンサーの配線を切断して逮捕される事件が発生した。主張は荒唐無稽でも、被害は紛れもない現実だ。

交通信号は「違法な戦場技術」なのか

 事件を起こしたのは「ブレード・ランナーズ」を名乗る陰謀論グループだ。

 彼らは現代の交通信号機に搭載された高性能センサーの正体を、軍事技術から転用された「電子的暴行兵器」だと主張している。違法な戦場由来の技術が組み込まれており、対象に照準を合わせることで心臓発作や脳腫瘍、原因不明の不安症状、さらには突然死まで引き起こせるというのが彼らの言い分だ。

 こうした健康被害を裏付ける科学的根拠や専門家の見解は、今のところ一切示されていない。それでもグループは至って真剣で、自分たちの行動を「地域住民を危険から守るための正当な防衛」だと位置づけているという。

信号柱によじ登り配線を切断、逮捕された年配の男女

 事件が起きたのは2026年9月14日、デヴォン州イルフラコムだった。

 現地で撮影された映像には、60代と70代とみられる年配の男女2人が交通信号の柱によじ登り、工具でセンサーの配線を切断する様子がはっきりと映っていた。センサー機能はこの行為によって停止し、周辺を通行するドライバーや歩行者を事故の危険にさらす結果となった。

 デヴォン・コーンウォール警察は、器物損壊および道路利用者を危険にさらした容疑で2人を逮捕。その後保釈されたが、損害額は数千ポンド(日本円で数十万円)に上るとみられている。信号機はれっきとした公共インフラであり、「陰謀論に基づく自己判断」で手を出してよいものではない、というのが警察側の立場だ。

批判にひるまぬ「完全に目覚めている」自称集団

 逮捕後もブレード・ランナーズは主張を撤回する気配を見せていない。

 メンバーは自分たちへの批判に対し、「自分たちは完全に目覚めている」と反論しているという。イギリスでは同種の陰謀論に基づく信号機や街灯の損傷が過去にも散発的に報じられてきたが、いずれのケースでも主張された健康被害を裏付ける証拠は確認されていない。

 信号が赤から青に変わる一瞬に「兵器」を見出す想像力は、ある意味天晴れと言うほかない。しかし工具を手に信号柱によじ登る前に、信号無視のドライバーの方がよほど命に関わるという、身も蓋もない現実にこそ目を向けてほしいものだ。

参考:Oddity Central、ほか

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