「笑い」の起源は「威嚇」だった!? 笑顔のウラに秘められた感情まで読み取れる人類の能力、その源泉に迫る!
ニホンザルは群れの中で自分より強い者が近づくと、顔はそむけたまま、「キャッ」と叫ぶように歯茎を出す。これも、悲鳴の表情を見せることで「あなたに敵意はありません。従います」と、恭順の意を示しているのだろう。
米カリフォルニア大学の心理学者で神経科学者、ヴィラヤヌル・S・ラマチャンドラン氏も、「笑いの表情は、威嚇の表情を緩めた形に一致している」との研究結果を発表している。恐怖をもたらす者がいないことが判明した後の、安堵に満ちた和みの表情こそがSmileなのである。
哲学者のニーチェは「笑いとは、地球上で一番苦しんでいる動物が発明したものである」という名言を残しているが、まさにこれは的を射た指摘なのだ。人間も知能さえなければ、草むらにいるサル同様、常に自分よりも強力な存在に怯えながら生きる弱い動物だ。補食される側にとって「笑い」とは、和平をもたらす強力な防御手段、生存戦略でもあったのだ。そしてこれは、太古の昔から私たちのDNAに深く刻まれている記憶――笑いと威嚇は対称的なようでありながら表裏一体の関係、であるからこそ人間は他者の笑顔の奥に秘められた多種多様な感情まで読み取ることができるのかもしれない。
深月ユリア
ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表、TR総合探偵事務所で心霊捜査担当。最新刊『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』(明窓出版)大好評発売中!
参考:「CHILD RESEARCH NET」、「京都大学霊長類研究所」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「笑い」の起源は「威嚇」だった!? 笑顔のウラに秘められた感情まで読み取れる人類の能力、その源泉に迫る!のページです。サル、感情、笑顔、ニーチェ、威嚇などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで